映画「21ブリッジ」ネタバレありレビュー:シンプルな構成と重厚なアクションに浸る…
皆さん、こんにちは。アヤノテツヒロと申します。
今回このブログで取り上げるのは「21ブリッジ」です。
監督:ブライアン・カーク
キャスト:チャドウィック・ボーズマン、シエナ・ミラー、J・K・シモンズ 他
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あらすじ
主人公のアンドレはその強すぎる正義感から周囲から少し距離を置かれている刑事。彼が捜査を担当するのはコカイン強盗をした上に、警官を殺した凶悪犯の追跡。しかし、その捜査の過程で彼は思いもよらぬ展開を迎えていく…
Table of Contents
見所①:チャドウィック・ボーズマンの最後の主演作
こちらの映画で主演を務めるのはチャドウィック・ボーズマン。彼にとって最後の主演作となったのがこの「21ブリッジ」なのです。
彼の代表作と言えば、やはり「ブラックパンサー」ですね!タイトルロールのブラックパンサー/ティ・チャラを丁寧に演じ、彼のヒーローとして、次期国王としての闘いと成長を描いた本作はヒーロー映画という枠をも超えて世界的に評価され、彼の知名度は世界的になりました。
また、「42~世界を変えた男~」、「ジェームズ・ブラウン 最高の魂を持つ男」などでもその高い演技力は評価されておりました。
しかし、2020年8月に彼は亡くなってしまいます。ガンを患っており、その闘病生活はあまり多くの人間には話していなかったそうです。4年もの間、人知れず闘病を続けながら撮影をしていたチャドウィック・ボーズマン最後の主演作がこの「21ブリッジ」であり、この撮影中も闘病生活をしていたとは思えない演技とアクションを見ることが出来ます。
ちなみに彼はこの作品にプロデュースという形でも参加しています。
制作を務めるのはルッソ兄弟。アベンジャーズ/インフィニティウォー」「エンドゲーム」の監督を務めており、チャドウィックの演技を絶賛していました。
また、シエナ・ミラー(レイヤーケーキ、G.I.ジョー)、テイラー・キッチュ(バトルシップ、オンリーザブレイブ)、J・K・シモンズ(セッション、スパイダーマンシリーズ)など豪華な共演者が脇を固め、このクライムアクション映画を盛り上げてくれます。
見所②:シンプルな構成とアクションの数々
物語としてはかなりシンプルな構成となっているのがこの映画の特徴だと言えます。
物語の視点は
①犯人側の視点
②アンドレ刑事の視点
のみに絞られ、舞台もマンハッタンのみとシンプルゆえに見易く分かりやすいのが素晴らしいと思いました。
①の視点では、コカイン強盗を実行した犯人が遭遇する違和感が提示されていきます。強盗先に何故警官が現れたのか、何故彼らはやって来たのか、コカインを金に換えたあと、資金洗浄をしようとしていたら警官の襲撃にあったのは何故なのか…犯人側が出会う違和感という謎に迫っていくのが②の視点です。
②の視点では、犯人たちが残した手掛かりや監視カメラ映像、聞き込みなどを駆使して、アンドレ刑事が犯人たちの行方へ少しずつ迫る様が丁寧に描かれています。
①と②の視点が交錯するとき、強盗事件に隠された別の闇が見えてくる。その時アンドレ刑事は…というのが物語の大筋となっています。
ここに他の刑事の視点や市長などの視点を加えると、話の流れが止まってしまうし、隠された部分に関しても早々に見当がついてしまうので、このシンプルな構成が正解だとワタシも思いました(まあ、ある程度は読める展開なのでそれはそれで見易いのがむしろOK)
随所に挟まれる犯人たちとの銃撃戦、犯人を追いかけるスピーディーなランアクションなども見ごたえ抜群で、シンプルな物語をさらに加速させてくれます。ランアクションも建物内や車道、地下鉄など様々なロケーションとカメラワークで盛り上げてくれます。
見所③:現実問題への警鐘
この物語のもう一つの事件がハッキリと判明するのは終盤になってからです。犯人が資金洗浄を行っていた男から預かったUSBメモリに入っていたのは警察官の汚職の証拠の数々…アンドレ刑事は署長の家に赴く…ここでも激しい銃撃戦が繰り広げられ、アンドレ刑事の正義が試されるという展開に。
パンフレットのコラムページにも書いてある通り、汚職警官、ニューヨーク市警に関して汚職事件が表面化しているようで、本作にもその影響があるのではと言及されていました。
また、個人的には警官の射殺問題も盛り込まれているように感じました。
ここ数年で警察官の黒人射殺のニュースを見ることが多くなってきました。それに伴うデモ活動も過激化しているなど大きな社会問題になっているのも確かです。
警察官という、大きな力を持つ存在。その権力を振りかざし、犯人を射殺した裏には今作のように大きな闇が隠されているかもしれない…そんなことを思わせるようだと感じました。
その汚職という闇にまみれ、その隠ぺいの為に犯人を射殺した警察を摘発する正義の刑事が黒人のアンドレというのも意味と言えるのかもしれませんね…
いかがでしたでしょうか?チャドウィック・ボーズマンの勇姿をぜひ劇場でご覧ください!
では、この辺で
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