【「エアフォース・ワン」編】”大統領”に向けられた視線から読み解きたい「キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド」-新作に向けて”大統領映画”を鑑賞⑧
次作の「キャプテン・アメリカ」では大統領に就任したサディアス・ロス(ハリソン・フォード)が、重要なキャラクターとなることが既に告知されています。新キャップとなったサム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)の”サム・キャップ”としての活躍にも期待したいし、アクションシーンを楽しむ映画ではありますが、せっかくなので、”大統領”が大きく関わる映画をこの機会にいくつか見てみることにしました。
ハリウッド映画における”大統領”について、
・大統領は何を目的に何を守ろうとしていたのか
・それに対し、主人公は何の為に何を守ろうとしていたのか
・作り手は大統領をどの角度から描き、どう切り取っていたか
といった視座から注目していきたいと思います。
それと、私はアメリカに住んだことも無ければアメリカ文化の専門家でも何でもないので、国家としての役割とか、実際の国民の考えや反応など、現実的な視点からの解説等は出来ません。ごめんなさい。感想です。
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「エアフォース・ワン」
監督:ウォルフガング・ペーターゼン
主演:ハリソン・フォード
劇場公開:1997年
配給:ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン
空飛ぶ要塞と呼ばれる大統領専用機、”エアフォース・ワン”をハイジャックしたロシア人テロリスト達と戦う大統領を描いたサスペンス・アクション。テロリストはロシア人だがクーデター派としつつ、ロシアや政府は友好関係が築かれているという設定。今見てもヒヤヒヤする設定。
大統領/主人公の目的
”大統領”、”ハリソン・フォード”といえば、『エアフォース・ワン』。”戦う大統領”ものの定番の一つと言えるのではないでしょうか。戦うといっても国の為というより、家族や仲間を守る為に立ち向かう、といった内容です。しかしそれが、ロシアのクーデター派将軍の解放を阻止することにもなり、それが外交的にも友好的になるという意味で、結果的にアメリカを救っているという構図にもなっていました。
作り手が切り抜きたい”大統領”
冒頭で将軍逮捕によりロシアと良い関係になり、相手も友好的だし、作品のスタート地点から争いを無くそうとしているという、気軽に見る為の設定付けがされています。映画っぽいですね。
『アメリカン・プレジデント』の時と同様、オープニング・クレジットにて目を引く名前を発見。脚本がアンドリュー・W・マーロウという方で、この人は私が好きな海外ドラマ、『キャッスル~ミステリー作家のNY事件簿』のショーランナーであり脚本・製作総指揮を担当している方です。新キャップに向けて大統領映画を見ている期間も、合間に『キャッスル』を見ていたので、この映画にも一気に親近感が湧きました。とても個人的。
技術と美術
上映時間1時間40分頃に主犯格が退場。しかし戦闘機のミグが近づいてくる。それも乗り越えたと思ったら今度は…。という、一難去ってまた一難という三段構えのクライマックスは、2010年代の映画のような展開の多さで、鑑賞者を飽きさせません。劇中、本国で報告を待つ記者達の様子もまさに固唾を呑むという言葉にふさわしい緊張感がありました。
テログループのパイロット担当の役者さんによる、飛行機を着陸させないようにするシーンでの鬼気迫る表情も見所の一つです。半沢直樹ぐらい凄い。
「”リバティ24”の名前を変更します。新しい名前はエアフォース・ワンです!」。あの状況でそんなこと言えるか!という可笑しみも笑い飛ばせるぐらい、スリリング且つ気持ちの良いラストでした。
最後に、三幕構成の推測。39分頃の、大統領はもしかしてまだ中に?という事に政府が気づくシーンまで。もしくは48分、残った大統領の初戦闘が終了する所まで。1時間25分頃、大統領が確保されてしまう所までが恐らく二幕目。
内部リンク
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