「あの人が消えた」 ネタバレあり感想:面白かった!とは全力で言うには色々ノイズのある映画
皆さん、こんにちは。アヤノテツヒロです。今回は 映画 「あの人が消えた」 です。
監督:水野格
キャスト:高橋文哉、田中圭、染谷将太 他
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「あの人が消えた」 ネタバレあり感想前半・・・人物と舞台紹介、主人公の行動の危うさ
オープニングでは、203号室の女性が何かに怯え部屋に入ろうとするが姿を消してしまう…という不穏なオープニングになっている。
最初は主人公である丸子の紹介
・彼が宅配業者になった理由がコロナを経てだったこと
・宅配業者が感謝されているのが目についた→誰かに求められたい
・彼が仕事へのモチベーションを失っている
・ミスやクレームが多く、上司に目をつけられている・偶然見たWeb小説「スパイ転生」のファンである。
そんな宅配業者な彼がマンションで起きた事件を探っていく物語なのだが、ミスが多いとか忙しいはずなのに、マンションのことにばっかり時間使って大丈夫なのか?という疑問も当然浮かんでくるし、コロナ禍がどうとかも全く関係なく物語は進む
この紹介パートに「第一章」と謳うのはどうかと…
続けて「第二章」は舞台となるマンション及び住人の紹介になる
・201号室:巻坂(中村倫也)ー真面目で几帳面そうだがゴミの分別を守っていない。燃えるゴミの日に金属を出しているところを丸子が目撃
・202号室:空室ー空室なのが郵便ポストぐらいでしか示されないから分かりづらいのよ
・203号室:流川(声が明らかに染谷将太)ーいつも不在で荷物を届けられない住人
・205号室:小宮(北香耶)ー丸子が読んでいる小説「スパイ転生」の作者と思われる女性
・301号室:長谷部(坂井真紀)ー現在の住人の中では一番長く住んでいると思われる。猫を飼っている
・302号室:島崎(染谷将太)ー周囲から怪しいと思われている七三分けの男性。小宮の部屋を異様な雰囲気で訪ねていた人物と目されている
・303号室:沼田(袴田吉彦)ー引っ越そうとしている男性。原因は隣の島崎の部屋で見かけた血まみれの女性
丸子は205号室の大好きな小説の作者、小宮を気にかけ、彼女にファンだと、トリックが素晴らしいと説くが、配達業者にしては踏み込み過ぎだと思いました。
島崎が小宮の部屋のドアを異様に開けようとしていることから、丸子は調査を始める。沼田が見かけた血まみれの女性、島崎の部屋を無理やり訪ねた時に見かけた盗聴器と写真、などから警官に訴えるが大して取り合われない。
・実は島崎は売れない芸人
・マンションは事故物件で、人が消えるマンションと呼ばれている
・盗聴器ではなく心霊を調べる道具
らしくて警官は取り合わなかったらしい
しかし、どうにも気になる丸子は他の住人からも証言を集めていく。沼田が見かけた時期に巻坂が見かけた小宮をかついでいる島崎、長谷部が見かけたベランダに佇む島崎の血まみれの姿などもあり、疑惑は深まっていく…
そして、ある日。住人が誰も出てこなくなった。インターフォンを押しても誰も出ない。島崎が小宮の部屋に入るのを見た丸子は先輩の助言も忘れ部屋に飛び込んでしまうが…というのが第二章になる。
好きな小説家がいたからといってグイグイ行くのもちょっと気持ち悪いし、ストーカーっぽいのを見つけて気にしちゃった結果、後半の展開から言えば結果的には正しいのだがやっていることはかなり危ないし、妄想に妄想を重ねて不用意に動いている(そして結果的に自身の身に不幸が起きている)のがどうにもシンドイ
届け物もないのに、インターフォンで尋ねたり、部屋の中を覗いたり、他の住人と話をしたりというのもかなり度を越していて見ていてシンドかった。
「あの人が消えた」 ネタバレあり感想中盤・・・第三章はまるでコントのような事情説明
ここで小宮、島崎、丸子、先輩がテーブルを囲んでいる。
小宮によると小宮と島崎は二人とも偽名を使い張り込みをしている公安の刑事だという。
小宮の本名は須藤で、島崎は別府というようだ。
ちなみに他にも彼女が語るエピソードには
須藤
別府
寺田(須藤の上司)
梅沢富美男
相馬(交番の警官)
という人物が登場してくる。
別府がMI6帰りの英語の発音にクセがあったり、上司をMと呼ぶキャラであったり、須藤と別府の絡みがコントのようでクスリと笑ってしまうのは良かったところでもあるが、このコントのような真相であるわけがないのに、このコントが長いのだ。
確かに笑えることも多い。沼田が見かけた血まみれの女性に扮するためにプロテインまみれになる須藤の図や丸子が落とした部屋番号と時間のメモが梅沢富美男の電話番号で謎のやり取りをしたり、盗聴器がネコに食べられてしまったのをキッカケに長谷部に疑いをかけるも空振り(猫が良い動きをする)とかも面白いのだが真相がそんなわけないのに長すぎる印象を持ってしまった。
「あの人が消えた」 ネタバレあり感想後半ー最終章に明かされる真相と超展開
全てを話し終えた須藤。丸子がふと彼女の部屋の本棚を見ると、梅沢富美男が表紙の雑誌に作者の名前が須藤の本、タイトルにある別府、マグカップの下に書かれている相馬の文字…出てきた人物の名前の頭文字を繋げてみると「すべてうそ」これは「スパイ転生」で使われていたトリック…(ユージュアル・サスペクツ)
丸子は一人その事実に気づき、先輩へと目配せをする、島崎は小宮にナイフをこっそり突きつけていたが、丸子の機転で先輩が島崎を取り押さえ、事件は解決した…かに見えた
島崎は連続殺人犯であり、203号室の住人の女性を監禁して後に殺害(これが冒頭シーンに繋がる)
そして、次のターゲットが小宮だった。そして、実は丸子は殺されており、第三章で我々が見ていた丸子は幽霊だったのだ(シックス・センス)
さて、ネタバレありなのでもう書いてしまうが、染谷将太演じる殺人鬼?の解像度が正直低い。
203号室の住人を監禁して殺した?というのは分かるがその辺の描写があまりにもないので、205を狙った理由も分からないし、監禁してどのタイミングで殺したのかも謎だし、主人公はこっそり入ったから殺したけど、駆けつけてきた先輩には普通に応対するし、あんなコントみたいな嘘の話をダラダラと聞いてるのもなんだか疑問だ??
他の住人の証言に関しても矛盾が生まれるし、ここまで見られてるなら皆殺ししないといけない気がする。
さらに血だらけの女を見たという証言や血まみれでベランダにいたのも??
203号室の女性をわざわざ拉致して上の階の自室に監禁していたのか?他の部屋も盗聴していたのか?など明かされていない謎が気になった結果、この展開を飲み込みづらくしているような気がする。
交番の警官がチョロすぎるのもあるし、事故物件だったのもミスリードでしか無かった、地縛霊が出るというなら最初の被害者も幽霊で出てくるべきだったのでは?
幽霊展開が最後に唐突に来るので、ガクッと来てしまった。丸子が最初の被害者の幽霊がたまに見えるとか、死んだあとだとハッキリ見えるとか伏線もないのに最後に幽霊でした〜……はちと冷めるかなと
丸子は小宮に別れを告げると「スパイ転生」の世界に転生していて…からのエンディング、はい??って思ったのも事実だ
ザックリ纏めると、前半イライラ中盤コント?後半おっと!で最後は…幽霊と転生はやっちゃダメだろ…と正直に思う
ライトに楽しめる人は良いが、合わない人にはとことん合わない映画自分は半々ぐらいかな〜展開として面白いがそこまでの道程がちとキツい
ちなみに色んな人が指摘している名作作品を思い浮かべたのは完全にオマージュだとパンフレットに記載しておりました
展開として笑ったり楽しめたところもあったが、色んなノイズがあったせいで、気になったところをもう一度見直せば理解出来るかもだが、見る気が起きない。そんな映画だと個人的には思ってしまった。
今回はここまで!
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