「ドント・ブリーズ2」 ネタバレあり感想:帰ってきた盲目じいさん!

2024年3月17日

皆さん、こんにちは、アヤノテツヒロです。今回このブログで取り上げるのは 「ドント・ブリーズ2」 です。

「ドント・ブリーズ2」 の概要

監督:ロド・サヤゲス

キャスト:スティーブン・ラング、マデリン・グレース、ブレンダン・セクストン三世 他

あらすじ

前作から8年、老人は少女と共に暮らしていた。だが彼女を狙って武装した集団が迫ってくる。彼らの目的とは?、そして老人は何故少女と暮らしているのか…?

公式サイトはこちら

ユナイテッドシネマ札幌にて鑑賞

「ドント・ブリーズ2」 の前に:前作を振り返る

続編である今作についての感想を書く前に、前作についてザックリと振り返ってみましょう。

前作「ドント・ブリーズ」では、盲目の老人宅に若者3人が強盗に入ったことから物語が始まります。その老人の家には事故での示談金がたんまり隠されているということで強盗に入るのですが、盲目の老人はとんでもないヤツで…というのが映画の主軸になります。

盲目の老人が侵入者である若者3人に容赦なく反撃してくるという、まさに「息も出来ない」緊張感、若者3人が強盗ということでちょっと老人の方を応援したくなるような構成、そして終盤で明らかになる老人のとんでもない秘密とその行く末…このとんでもない秘密に関しては少し後で記載するとして、今回の「2」はその劇中から8年後という設定になっているようです。


「ドント・ブリーズ2」 感想①:数々の謎

物語の始まりには、幼い少女が火事から命からがら抜け出るところが空撮で映し出されます。これは前作の空撮始まりと同じ構図にしてあると思います。

そこから8年後、その少女フェニックスは老人の娘(!?)という形で生活を送っていました。老人からは一人でも生きていけるように指導されていたり、あまり街中に出歩かないように管理されているようです。

ここで前作を見ていると、老人に娘がいないことは分かっているのでまずここで物語の謎が生まれます。

そして、彼女を狙う怪しげな男たち。何故にフェニックスを狙うのか、彼女と共に行動した女性をも殺すほどの執念というか悪意を見せるのは何故なのかという謎が多く、物語前半はミステリー要素が多い構成ですね。

「ドント・ブリーズ2」 感想②:老人VS襲撃者 第1ラウンド

少女を狙い、襲撃者たちは老人の家に乗り込んできます。老人の愛犬も殺してしまうあたりで見てるこちらとしては老人を応援してしまいます。少女は襲撃者を上手いこと回避しながら外への脱出の機会を伺います。この辺のくだりは前作での若者たちの緊張感にも近い感じですね。

少女が捕まり、ついに終わりかと思いきや老人が反撃!盲目なのが信じられないほどの動きで襲撃者を翻弄します。ガレージ内での接着剤で息を防いだり、地下室でのガス爆発での攻撃など、痛々しい場面やちょっとグロなシーンも前作よりも多めかなと感じました。

接着剤で息を防がれた男に対してや水責めにあって溺れた少女に対して「Breath!(息をしろ!)」と呼びかけるのは、タイトルの回収でもあるかなと。

また、老人が2階の窓から落ちて、ガラス張りの屋根に着地してしまうのも、前作のセルフオマージュだったりと、前作を意識したシーンもちょくちょくありましたね。

ここで、襲撃者の男が真実を語り始めます。それは少女の父親が自分であり、火事の犯人として捕まっていたこと、老人は父親などではなく、火事から逃れた少女をそのまま娘として育てているだけなのだということ…

見てる側としては「やっぱりジジイ!そういうことか!」と思いつつも「襲撃してきてるし、人殺ししてる時点で信用ならないよね」と思ったりと、どちらを信用していいか分からない、登場人物の少女とおんなじ状況へと陥ります。

「ドント・ブリーズ2」イメージ画像

「ドント・ブリーズ2」 感想③:老人VS襲撃者 第2ラウンド

少女を攫われてしまった老人は、襲撃者たちが放った犬を連れて犯人たちの元への向かいます。全ては少女を取り返すために…。一方、少女は自分の本名や誕生日などを聞き、火事で死んだと思っていた母親とも再会します。それで終われば良かったのですが…実は彼らには大きな目的が。それは母親の為に少女の心臓を狙っていたということが判明します。血の繋がりは事実のようですが、娘の心臓だけを狙っていた、そして母親は麻薬の製造法を知っている唯一人の人だから生かしたいというとんでもない真実が明らかになります。女の子がひたすら可哀想になってきますね…

で、その手術の直前に襲撃者たちの拠点が停電?地下のブレーカーに行くと、老人がやって来ました!少女の両親のクソっぷりが明らかになったので「ジジイ!がんばれ!」な気持ちで見ていました。

結局今作も「悪党VS悪党」な構図はきちんと引き継がれていたわけです。

水面の動きで敵の数と配置を把握して銃撃したり、音が出るように口にベルを突っ込んで動いたら殺すなど目が見えない分の聴覚、触覚の鋭さがやはり強いですね。

ただ、今回の作品では「ドント・ブリーズ」な場面があまり多くなかったような気がします。家に襲撃してきた時の少女の家の中の逃亡くらいで、あとは殺すか殺されるか状態だった気がします。特に後半はジジイ側から来ている以上、たいしてトラップとかも仕掛けられないから余計に「息を殺す」場面が少ないと思いました。

そして、やっぱり前作よりも腕を切るとか、目を潰すとかグロも多めです。相手が前作以上にクズなので爽快さもありますが、やはり苦手な人は苦手かも…

あとは、じいさんの至った道の果てに関しても多少好みが分かれるかなと。少女を助けるために全力でクズどもをぶち殺しにいったじいさんですが、ボロボロで瀕死の状態にそこで少女に語ったのは「少女に嘘をついていたこと」「殺人やレ〇プなど犯罪を色々やってきたこと」「少女と暮らしたおかげで怪物から人間になれたよ」などが語られます

ここで前作の罪も含めて贖罪しているというのが意外な展開でしたね
(※ちなみに前作での老人の秘密とは:娘を事故で死なせた女性を地下に監禁し、自身の子供を産ませようとしていた、その女性が侵入してきた若者たちのせいで死んだから一人捕まえて自分の精子をスポイトで…という鬼畜外道っぷり)

前作で鬼畜っぷりを見せたじいさんは、前回から一貫して娘を代わりを求めていたこと、そして少女との暮らしでその夢を実現していたこと、その生活が彼を図らずもまともな人間にしていたことが判明します。

つまり、あの鬼畜じいさんも、娘を亡くさなければまともな人間だったのかも…と思わせるという新しい展開を見せるんですよ。ここに関しては好みが分かれそうですね(最後までクレイジーなじいさんでいて欲しい気持ちもある)

老人は息を引き取り、少女は保護施設で新たな生活を送ることに。そこで名乗ったのは老人がつけてくれた名前…実の両親よりも老人との関係性を選んだ少女に幸あれ!なエンディングでした。


さて、ザックリと「ドント・ブリーズ2」について書いてきましたが、映画自体はハラハラドキドキ楽しんだし、じいさんのアクションや悪党のクズっぷりをぶちのめすのが爽快でもあったりとそれなりに楽しめました。ただ、一作目ほどの緊張感は無いだろうし、展開もシンプルなので少しだけ物足りなさもありました。

そして、映画本編とは関係ない部分での不満を少しだけ

・予告編で見せすぎ:本編時間が短いせいなのか、予告編で見せ場のほとんどを見せてしまっているような気がするんですよ。一応少女の母親についてのシーンはほぼ排除されているのは素晴らしいと思いましたが…せっかくなのでもう少しアクションシーンも隠してほしかった…

・パンフレットがない:ワタシ、必ず劇場で見た映画はどんなにつまらなくてもパンフレットを買うのですが、今作ではパンフレットが売られていない!というのがショックでした…せっかく前作のパンプレットと並べようと思ったのに…

さて、不満はこの辺にして、今作ではエンドロール後に少しだけ映像があります。

敵に飼われていたワンちゃんが老人の死体の元にやってきます。そこには老人の手が映り…ということは第3弾もあるのか?じつはじいさん生きてる?みたいな終わり方ですが、果たして?(第3弾あっても見に行くんだろうな~)

では、今回はこのへんで


静かにする、続編ということでこちらの記事もどうぞ!