「君だけが知らない」 ネタバレあり感想!:これは面白い韓国サスペンスの新たな形!!

皆さん、こんにちは、アヤノテツヒロと申します。今回このブログで取り上げるのは映画 「君だけが知らない」です。

ガッツリネタバレありのダラダラとした感想を書くのでここからは映画を観た人だけ読んでくださいね。見てない人はとりあえず劇場へ!!

(というか見てる人にしか分からん話もするから見てないと分からんよ、きっと(笑))

「君だけが知らない」 概要

監督:ソ・ユミン

キャスト:ソ・イェジ、キム・ガンウ他

あらすじ:事故に遭い、記憶を失ったスジン。夫であるジフンのサポートもあり、退院して日常生活を戻った彼女を奇妙な出来事が襲う。なぜか接触のあった人の未来が見えたりするようになったのだ。幻覚だと取り合わない夫は何かを隠しているようで…

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「君だけが知らない」 ネタバレなし感想:面白い!!多少ツッコミ処はあるけど(笑)

なかなかに面白かったー!!と素直に思いました。


記憶喪失の妻とちょっと怪しい夫、奇妙な未来予知と断片的な記憶たち…
信用ならない夫の不穏な影と隠された謎、主人公の記憶が戻る時に明かされるのは…もはや感動すらする展開に驚きが隠せないままで怒涛のクライマックスへ…
記憶喪失に怪しいパートナーという展開に関しては色んなサスペンスもので擦られた展開だとは思っていました。似たようなサスペンス映画やドラマのあらすじを見たことがあるような気がしますし、

(思い出したのはニコール・キッドマン主演の「リピーテッド」とかですね。見てないけど笑。あと近いものだとミラ・ジョヴォヴィッチの「フェイシズ」も頭をよぎりました。

幻覚を見るとかもありそうな展開で中盤までは「あぁ、この旦那さんが犯人で…」的な展開を想像していたら、まさかまさかの…
その真相が明らかになった時にはそこに隠された男の想い…

正直、幻覚とかそういう描写は映像作品として使いやすいですし、ミスリード的な装置にしかならないのでその辺で合わないというか、そういう描写で弾いてしまう人もいるとは思うんですが、そこはご愛敬ということでいければ、この映画、とても面白いと思います。

「君だけが知らない」 ネタバレあり感想

さて、ここからはネタバレありで書いていきますか

この映画は物語の始まりに隠された、過去が後からどんどん涌き出てくる映画であり、もう一度初めから見ると視点が変わるし、ツッコミ処も結構あるとは思います。
主人公スジンが見るマンションに住む他人の未来は、自分の過去であり、幻覚であるということは映像としてはそれなりに何でも出来るので前述の通り反則と思われなくもないかなとは思いました。

また、夫ジフンを名乗っていたのは義理の兄であるソヌであることもまた、物語の展開を大きく変えていきました。

スジンの記憶がよみがえる度に浮かびあがる大切な人を守るための愛の行動。幼少期の出会い、父親からの暴力から救い、さらに本当の夫を殺して(実際は死んでない)しまったスジンを守ろうと…お兄ちゃん!!って叫びたくなりますなぁ


ただ一人の家族への家族愛だったのか、義理の兄としての兄妹愛なのか、それを越えた男としての愛だったのか…そこを考えるのは無粋というものだろう。男はただ、大切な人を守るため、罪を、嘘を、痛みを背負い、例え自分がどうなろうとも彼女を守ることを選んだ、その生き様に素直に感動しました!!

比較して、本当の夫ジフンはマジでクソ野郎でしたね~


…多少、粗がある部分はあるし、幻覚というかなり都合の良い描写と思われたり、この嘘は必要だった?とかやりすぎて逆に怪しくない?とか見直したら出てくるかも知れないけど、個人的には素晴らしい作品だったなと思います。

さて、ここからは色々思ったことを整理しながら書いていきたいので、メモとかに近い感じの感想になります。

「君だけが知らない」気になったところ:夫と名乗った理由

ソヌが兄では無く、夫を名乗った理由は色々あるとは思います。記憶が戻らない、戻らせないようにしていたのは夫を殺した記憶を封じたい、父親と夫の記憶及びその重みから身を投げた記憶を封じたい、夫が行方不明となれば警察が捜査を始める、そのときに疑われてしまうし記憶が戻るかもしれないから、などですかね。

前述のソヌがスジンを女性として想っていたのなら、ウソで覆い隠して悪い記憶を封じた上でスジンと夫婦として人生を歩んでみたいという願望もあったのかもしれませんね。


ただ、これは記憶が戻らない前提の話で、ソヌはそのために職場に接触しないように監視したり、カナダ行きを急いだわけですが、それが怪しく映ってしまい、視聴者もスジンも疑惑の目を向けてしまいます。これはミスリードというやつですが、ソヌの詰めの甘さは些か気になりますし、もっと上手くやれたのでは?とも思いましたが、人間これくらいの隙があるものだということにしておきましょう

そうやって思うと冒頭、記憶を無くしたスジンの聞いた告白はどっちから?への返答、「告白はしてないんだ、プロポーズも」という言葉にも切ない想いがあるのかな?なんて勘ぐっちゃいますね。(さりげなくここはウソをついてはいないわけですし)

この辺も含めてもう一度見てみるのもアリかなと思いました。

おまけ

そういえば、死ななかったジフンは今までどこにいたのでしょう?コンクリから脱出したのもスゴいですが、あそこまで至るのに結構な日数が経っていると思うのにどうしてたのか少々気になりました。スジンとジフン夫婦の家にソヌが行ってたりするので、あの家には居なかったと思うのですが…謎ですね。あと、ソヌがちゃんとトドメを刺しておけば良かった問題もありますが、スジンを助けることに集中していたのと、コンクリが固まってしまったからなのでしょう。

そんな感じでこの辺で!!