「マーベルズ」 ネタバレあり感想

2024年4月9日

皆さん、こんにちは。アヤノテツヒロです。今回このブログで書いていく作品は 「マーベルズ」 です。

「マーベルズ」 概要

監督:ニア・ダコスタ

キャスト:ブリー・ラーソン、イマン・ヴェラーニ、テヨナ・パリス 他

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「マーベルズ」:まずは率直な感想

「マーベルズ」はMCU劇場公開最新作であり、「キャプテン・マーベル」の続編であり、ドラマシリーズ「ミズ・マーベル」の続編でもあり、w「ワンダヴィジョン」に登場したモニカの物語の続編とも言えます(シークレット・インベージョン?もはや触れられてなさ過ぎてTVAに剪定されたんじゃないか?

キャロル・ダンバースことキャプテン・マーベル、「ワンダヴィジョ」での出来事からパワーを得たモニカ・ランボー、祖母から送られてきたブレスレットによってパワーを得たアベンジャーズオタクのティーン、カマラ・カーンことミズ・マーベルがあることをきっかけにそれぞれが入れ替わってしまうことが起きてから物語は進んでいきます。

素直な感想を言いますと、面白かった!!!と素直には言えます。短くテンポも良いし、暗くなりすぎるようなこともなく、アクションと笑えるところもあったり、良い処も多いのですが、まあツッコミ処も結構多いとは思います。なので、ここからは物語の大枠をなぞりつつ、良かったところとツッコミ処を書いていこうと思います。

あ、終盤のサプライズにはマジ興奮した!!!!!

「マーベルズ」 感想①:入れ替わりによって絡み合う3人

いつものロゴは今回の三人がピックアップされている。今回のヴィランはクリー人のダー・ベンとなっており、彼女がカマラの持つブレスレットと同じブレスレットを手に入れたことから、3人の運命が動き出す。

カマラは相変わらずのアベンジャーズオタク、特にキャプテン・マーベルとのチームアップを夢見て、イラストを描いている。今作は特にカマラの明るさや純粋さ、真っすぐさに救われる場面が数多くあり、ドラマシリーズの時よりもカマラのことが好きになりましたね。そんな彼女のブレスレットが光ると突然キャロルと入れ替わってしまう。これはドラマシリーズでのラストに繋がる場面となっていましたね。

キャロルはグースと共に宇宙で孤独に活動していたらしく、失われた記憶を求めてクリー人が使っていた装置を使って記憶にアクセスしていました。この時に前作での光景も垣間見えますね。S.A.B.A.Rにいるニック・フューリーから異常なワープポイントについての情報を聞き、彼女は向かうことに。

そのS.A.B.A.Rに所属するモニカは宇宙での異常なワープポイントの調査を行っており、ニックを通して、キャロルと話すことになりかけるが、どこか気まずい状態らしい様子。キャロルが地球に全然戻らなかったことで2人の心の距離があることが分かります。そして、2人がワープポイントに触れたことから入れ替わりが発生。キャロルはカマラの部屋に。カマラはモニカの代わりにS.A.B.A.Rの宇宙服に身を包み、モニカはキャロルがいた惑星に移動してしまう。

その後も入れ替わりが繰り返され、クリー人との闘いを繰り広げていた影響はカマラの自宅を闘いに巻き込んでいってしまう。ここでの入れ替わりがごちゃごちゃしつつもそれぞれが能力を駆使して闘いを繰り広げる場面は見づらさがありそうで無くて、楽しいアクションシークエンスになっていたので良かったですね。キャロルってこんなに人の話聞かずに飛び出すタイプだっけ?

自宅にニック・フューリーが来て、テンションが上がるカマラが微笑ましいし、相変わらずカマラの一家の存在感に笑えるので今作での大事な存在になっている。

キャロルはクリー人とスクラル人たちの和平交渉が進んでいる惑星へと向かう。これはシークレット・インベージョンのラストで示唆されていたことであろう。ヴァ―ラどこ行ったん?そこでも入れ替わりが起きてしまい、カマラとモニカもその惑星へとやって来てしまう。どうやらダー・ベンが持っているブレスレットが原因らしく、彼女はその力でワープポイントを作り出し、各惑星から自分たちの惑星へと資源などを吸収していた。

ここでダー・ベンに関して注目してみよう。彼女としては自分たちの惑星を救うために活動しているのであり、現地では英雄として称えられている。彼女からすれば自分たちの惑星を救うと言う正義の為に活動しているのであり、その邪魔をする、それよりも自分たちの惑星をひどい目に合わせたキャロルへの怒りを抱くのも当然と言えば当然となっている。これまでの作品でクリー人の悪事を見てきたとは言え、全員が全員悪いわけでもないのだろうし、少し同情的な目線でも見てしまうのが今回のヴィランである。この辺の掘り下げというか、彼女の正義に対する描き方、彼女の辿る結末に関しては少々物足りないと言えるかもしれません。

「マーベルズ」 感想②:揃った3人がチームアップしていく中で

スクラル人たちが居留地としていた惑星はダー・ベンのせいで崩壊していき、キャロルたちはスクラル人たちを救出しようと奮闘していくが、全員をどうにか救おうとするカマラだったが、それは難しいこと。経験を積んだキャロルがカマラを叱責し、救えるだけのスクラル人たちを連れて、宇宙へと脱出する。

ここでカマラはキャロルのような無敵に見えるヒーローでも全ての人を救えないのだと現実を改めて知るように見えるし、キャロルがこれまでの多くの経験をしてきたのだということも垣間見える。

和平交渉自体もクリー人の策略だったということはあったが、シークレット・インベージョンのラストに全く救いが無くなったスクラル人たちの長からキャロルは責められる。ここで彼女がスクラル人たちを引き取ってもらうために呼んだ友人が、ニューアスガルドのヴァルキリーだ。エンドゲームで手を組んだ後にも交流があったらしい。ヴァルキリーの導きでスクラル人たちはニューアスガルドへと向かう。ビフレストを出したということは地球にソーがいる、もしくはストームブレイカーがあるのだろうか?というかこの時点での地球にスクラル人たちが行くのはリスキーでは…

ここまで読んでいただくと分かる通り、とにかくシークレット・インベージョンでの出来事及びニック・フューリーが絡むのがノイズになっており、あんなに放置プレイした状態でS.A.B.A.Rで過ごしているニック・フューリーに色々と言いたくなってしまう

ここまで来るとスクラル人たち絡みの話をしない方が良かったのでは?と思ってしまうし、タロスの話題も出ないし…。ということでこの辺はむしろあのドラマを見ていない方が楽しめるのかもしれません。

キャロル、モニカ、カマラは入れ替わりについて話していく。カマラの持つブレスレットは量子バンドという伝説級のアイテムであり、それによってダー・ベンは様々な惑星でワープポイントを作り出し、資源を略奪していること、そうして増えてしまったイレギュラーなワープポイントは銀河全体に影響を及ぼしてしまうだろうとモニカは推測する。

また、量子がもつれているから3人の光の力が絡まりあい、入れ替わりが起きているのだとも推測される。3人はダー・ベンの次なる目的地を探るため、記憶の辿るマシンを使うがキャロルとモニカの記憶が混じりあい、モニカにとって母を失ったという辛い記憶を呼び起こしてしまう。

その悲しむ様子にスッとハグをするカマラ、彼女の優しさと暖かさに救われますよね。ここでキャロルにも腕を伸ばしており、2人の関係を緩和させる存在にもなっています。

3人はダー・ベンの狙いが水の惑星であるアラドナだろうと考え、先に向かうことに。

そこは言語が歌という文化の国で、そこでキャロルは王子と政略的な意味での結婚をしており、プリンセスとして歓迎される。

個人的にはここでのくだりいるかな??という感じです。確かに楽しい場面ですし、キャロルの意外な一面を見れたりして面白いのですが、ここでの話題ってホントに何も影響しないんですよ。3人が入れ替わりの特訓をしていたこともそこまで生かされないし、結局追い詰められて見捨てたように脱出してしまうというオチも含めてなんだかな…と思ってしまいました。韓国の俳優さん、パク・ソジュンさんの出番も勿体ない短さだったのでどうしたもんかと…。

「マーベルズ」 感想③:深まる3人の絆と最後の闘い

カマラの機転によりアラドナを脱出した3人。キャロルは隠していた過去を話しだす。かつて自分を洗脳していたクリー人の星であるハラを支配するAI、スプリーム・インテリジェンスを破壊したのだが、それはハラの崩壊を導いてしまった。ダー・ベンがキャロルのことを殺戮者と呼ぶのはこのことが原因であり、キャロルはその後悔の念から何とかしようと奔走していたこと、こんな過ちを犯してしまった状態では地球には戻れないと思ったという弱さを見せます。彼女が地球に戻らなかった理由が人間的であったり、そんな彼女に対し、キャプテン・マーベルではなくキャロルおばさんとして会いたかったというモニカ、キャプテン・マーベルという存在に対し、強い憧れと期待を抱いていたカマラはヒーローの現実と一人の人間としてのキャロル・ダンバースという姿を見て、少し複雑な表情を浮かべつつも受け入れていく、そして、その2人と交流していくことでキャロルおばさんという家族として慕うモニカ、キャプテン・マーベルというヒーローとして慕うカマラ、その両方とも自分であり、弱い部分を見せてもよいのだという事を受け入れていく、そして3人の絆が深まる瞬間でしたね。

個人的にはここでもうラストバトルに行って欲しかった!この後にS.A.B.A.Rに向かい、グースたちフラーケンを使った脱出劇が繰り広げられるのですが、確かにこのシークエンスは面白い!!職員が逃げ切ったと思いきや後ろにいたというホラーな展開は流石「キャンディマン」の監督!!という感じで素直に可愛くて笑ったんですよ。それでもそこはこのヒーロー達、彼女たちの成長と深まりを感じた後に来るとせっかく高まったバトルへの機運が落ち着いてしまった気がしました。

それなら、この脱出劇を先にやって少し険悪っぽいムードになりつつもピンチに一致団結して、S.A.B.A.Rの職員やカマラの家族を脱出させた後に、太陽を狙うダー・ベンとの闘いに向かう前に、キャロルの吐露とカマラの家族とのやり取り、とかでも良かったのでは?

あと、バトル描写の問題ですよね。今回のバトル描写としては3人の入れ替わりというハンデがあるのがある意味で魅力なのですが、それを活かしきれてない気がするし、何より上がる!!という場面が少なかったです。前作だとキャロルが覚醒する場面からの無双とかテンション上がったのですが、今回は入れ替わりを活かしたバトルというには盛り上がりに欠けるし、印象的というか来た!!!!という展開が欲しかったです。

ダー・ベンに関しても故郷を救う目的からキャロルへの復讐へと走り、ブレスレットを2つ揃えたところで力を受け止めきれずに自爆してしまうというオチもなんだかな…(そのあと、カマラが普通に使ってるのは何故なのか)

ダー・ベンが開いてしまった別次元の扉を閉じるためにモニカは向こうの世界へ残ってしまい、キャロルとカマラは悲しみに暮れる。ランボー家に越してきた?カマラ一家と戻ってきたモニカとの絡みも見たいところなので、キャロルとカマラにはどうにか頑張ってもらうとしましょう。少なくとも別次元の世界に関しては、魔術師辺りに聞けば色々進みそうなので期待したいところ。

「マーベルズ」 感想④:サプライズの連続

今回の経験を経て、カマラにはある考えがあるらしい。そして、カマラはある人物の前に現れる。それはケイト・ビショップ。2代目ホークアイとして活躍する彼女がまさかの出演。彼女が家に戻るとニック・フューリーのようなセリフで話しかけるカマラ。さすがアベンジャーズオタク(笑)そして、ケイトをチームに誘い、さらにアントマンの娘も誘うという。これはヤングアベンジャーズに向けた動きとみて間違いない!

さらに、ミッドクレジットシーン。別次元の世界に行ったモニカがベッドに横たわっている。彼女の傍には亡くなったはずの母親マリアが!しかし、彼女はモニカの知る母親ではなく、バイナリーというヒーローであるようだ。さらにやって来たのは青い獣のような姿をした男、X-MENのビーストである!!!彼が語るチャールズというのはプロフェッサーXに間違いないだろう!!ついにMCU世界にX-MENの世界がハッキリと繋がった!!!開いた口が塞がりませんでしたね~


全体的には入れ替わりアクションという新しさ、笑えるシークエンスの数々、キャロルの弱さやモニカとの関係性、それに寄り添うようなカマラの純粋な優しさなど魅力的な場面、特にこの作品を通すとカマラのことがより好きになっていきました。

一方で、ヴィランの描き方の深さやシークエンスごとのバランス、テンションが上がるようなアクションなど物足りない部分もあったのは事実というか、MCUに対してハードルが上がり過ぎてるのかも…。そうは言いつつも楽しく見れたので個人的には大満足でございました!!