映画「モンタナの目撃者 」 ネタバレあり感想:逃亡エンタメとしては満足

2024年3月16日

皆さん、こんにちは!今回このブログで取り上げるのは 映画「モンタナの目撃者」 です。

映画「モンタナの目撃者」 概要

監督:テイラーシェリダン

キャスト:アンジェリーナジョリー、ニコラス・ホルト 他

あらすじ:森林救助隊のハンナ(アンジェリーナ)はかつて山火事から救助者を救えなかった悲しみを抱えていた。ある日、森で少年と遭遇する。彼は何者かから追われているようで…


映画「モンタナの目撃者」 感想①:シンプルな逃亡劇

映画の前半は、ハンナのバックグラウンドの説明、逃亡することになった少年、コナーとその父親オーウェンの紹介、そして追跡してくる暗殺者パトリックとジャックの非道な手口を紹介することに重きを置いており、その後も暗殺者VSハンナ&コナーとなっており、シンプルな逃亡劇ということで素直にそこをハラハラドキドキしながら見守ります。

そこに物足りなさを感じる人もいるとは思いますが、ワタシ個人としてはこのシンプルさはエンタメとして満足したかなと感じました。

暗殺者が迫り来る中で、助けを呼べず、彼らが起こした山火事で逃げ場も侵食される中でどう戦い生き残るのかというハラハラドキドキを楽しむのが作品の主であり、そこ以外を求めるのは難しいというより、そこへ全力を注いでいたように感じました。

ここからネタバレが本格化しますのでご注意ください

映画「モンタナの目撃者」 感想②:テイラー・シェリダンらしさと強き女性たち

アンジェリーナ・ジョリー演じるハンナがコナーを逃がす為、山小屋から飛び降りたり、落雷降りしきる中でいかに切り抜けるのか、という見ごたえのある展開が繰り広げられたり、暗殺者との直接対決の場面もあったりとアクション描写も満載です。

また、「トラウマを抱えた主人公が、そのトラウマと直接関わるとは言えないが向き合う展開」というのはテイラー・シェリダンの映画で良く登場するイメージですし、舞台となる土地に関する人々がその土地に関わるからこその関わり方、その地元に住まう人々というのも監督の作家性として反映されているのかなと思いました。

また、今作のMVPである、ハンナの友人の警官イーサン、その奥様であるアリソンの活躍!!!

女性、妊婦というか弱いイメージであり、こういった映画では人質であったり、弱みであったり、犠牲者として扱われそうな彼女が、襲撃してきた暗殺者たちに対し、猟銃をぶちかまし、馬に乗って颯爽と敵を追いかけるその姿!!!最高でしたね!!

とにかく女性陣が強くてカッコいい!!ホントにそう感じました。

映画「モンタナの目撃者」 感想③:少しだけ物足りないかも…

劇中で描かれる確山火事の描写は迫力満載で見ごたえがあったし、迫り来る暗殺者からの逃亡と反撃、前述の女性陣のアクションなど見処は沢山あったけど、「あー面白かったなぁ」という感想が素直に残る作品で、エンタメ作品としては充分ですが、もう一歩を求めると物足りないかも知れないと思いました。


暗殺者が追いかける少年が持つ不正とやらは謎のままで、殺人というリスクを犯しても止めたいのは何なのかは正直気になりましたし(いわゆる”マクガフィン”なのでしょう)、その不正を巡る話題にも、山火事がもたらす悪夢のような災害被害に関しても踏み込みが浅めで、主人公が森林消防隊である必要性、及び彼女だからこそ活きる場面があるという展開もなく、あくまでも山の中で出会う為の設定なのかなと感じました。
山火事の進行具合もどこか物語に合わせているように見えてしまい、自然の脅威では無く、物語を盛り上げるギミック的にしか見えなくなってしまいました。


と、ツッコミ処というか気になってしまった部分は多かったのですが、見ている間はハンナとコナーがどうなるのかハラハラドキドキしながら見ていたので、純粋に見てよかったと思いました。

ぜひ、皆さんも劇場でハラハラドキドキしに行ってはいかがでしょうか!

では、今回はこのへんで

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