007 ノー・タイム・トゥ・ダイ ネタバレありトーク
皆さん、こんにちは。アヤノテツヒロと申します。今回このブログで取り上げるのは引き続き 007 ノー・タイム・トゥ・ダイ です!
とにかくネタバレありでひたすらストーリーに沿いながら書いていくだけです!
概要及びネタバレなし感想はこちらから
ちなみにワタシ個人としては、007の映画に関してはダニエル・クレイグ版しか見たことないです。ピアース・ブロスナン版もいくつか見たことがありますが、日曜洋画劇場でやっていたのをチラ見しただけで記憶が曖昧です(笑)というところだけご了承ください。
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007 ノー·タイム·トゥ·ダイ アバンタイトル~OP
冒頭、お約束のガンバレルショットから始まるのは、雪原を歩く一人の男。その行く先には一軒の家。そこにいるのは幼いマドレーヌと母親。能面の不気味さがまずは印象的で、ここのシークエンスはホラー映画のようでした。予告編にもあったガラス越しの能面サフィンや窓の外にふいに現れたりするのもホラー映画的な演出でしたね。マドレーヌは銃を使って、サフィンを撃退したように思ったが…
この話は「スペクター」でマドレーヌが話していたエピソードを描写した形になっていました。
撃たれて重症ながらも起き上がったサフィン。マドレーヌは逃げますが、氷の中へ落下してしまいます。しかし、サフィンはマドレーヌを助け…というところで物語は現代へと移行します。
サフィンがマドレーヌを助けた後どうしたのか…は描写が無く分かりませんでしたね。
マドレーヌはボンド共に生きていくことを決め、ボンドはエージェントを引退し、二人でアストンマーティンに乗って走り出した、「スペクター」のラストとほぼ直結しています。
直後ではないと思いますが、それほど長くは経ってないぐらいでしょうか?
二人はマテーラで幸せな一時を過ごしていました。そこでは過去を燃やして未来へ進もうというイベント?が行われており、マドレーヌは「能面の仮面」を書いて燃やします。そしてボンドは…
ここで登場するヴェスパーという名前は勿論、「カジノロワイヤル」で登場したエヴァ・グリーン演じる女性でダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドにとっては忘れられない女性です。
どんなに時を経ても、ボンドの中には彼女への贖罪の想いが消え去っていないことが示されます。
マドレーヌのセリフ「過去は亡くなってない。だから後ろを振り返る」というセリフ、ヴェスパーの存在、マドレーヌとサフィンの過去など、今作は”追いかけてくる過去、過去とどう立ち向かうのか”あたりがテーマかなと思いました。
また、ボンドが言う「時間はたくさんある」というセリフはラストの方にも登場しますが、全く異なる状況でいう事に…
翌朝、ヴェスパーの墓の前でボンドが書いて燃やした言葉は「許してくれ」これはヴェスパーを守り抜けなかった自分を責め続けているということですね。未だにボンドの真の心は過去に囚われているということ、そしてマドレーヌと一歩踏み出そうとしている…処にスペクターの影がというとこで突然の爆破!!!!
この爆破シーン、初見ではビックリして席をガタっと揺らしてしまいました(笑)
ここから予告編でも見せたアクションシーンのつるべ打ち!橋からのダイブアクションに加え、追跡者とのバトル(ワンカット)、バイクアクションに加えて、アストンマーチンのギミック全開アクションがたまらない!
まきびし爆弾に煙幕、機関銃とギミックのオンパレードで、予告で何度も見たのにテンション上がりましたね。
ここでボンドはマドレーヌが裏切ったと疑ってしまいます。ボンドは過去に囚われてると共に誰も信用できない孤独な男という部分がフィーチャーされた場面ですね。
追手を振り切り、ボンドとマドレーヌは別れてしまう処からオープニングへ
ビリーアイリッシュが歌うテーマがマドレーヌとボンドの切ない関係を歌っているようでこれまた良いですね。
映像にも触れそうで触れない男女が描かれていたり、銃弾でDNAの塩基配列を見せているのは後の展開を思わせていたり、砂に沈むアストンマーティンや拳銃=時代と共に廃れていくボンドという古い存在を思わせているのかと思ったりとオープニング映像は何度も見たくなりますね。
5年後~親友との再会と別れ
5年後となり、生物兵器と科学者オブルチェフが奪われる事件が発生(大分危ないもの扱ってるわりにセキュリティが甘々なのはご愛敬)MI6の長官M(ある意味すべての元凶)は007に事態の収拾を要請する。
マドレーヌと別れたボンドは独りで暮らしていた。そこにやって来たのはCIAのフェリックス・ライター
彼の登場は「カジノロワイヤル」からでボンドとは旧友というべきポジションとなっています。
彼もまたオブルチェフを追っており、MI6から離脱したボンドに友人として依頼しにやって来ました。
ボンドは軽くあしらいますが、MI6からやって来た新たな007:ノーミとMとの電話からこの件に関わっていくことになります。
ノーミが007を名乗った時に、ムッとなるボンドやMへの電話に対しておちょけるボンドにクスリとしました(笑)
CIAの依頼を引き受け、ボンドが向かった先に居たのは新人エージェントのパロマ!
演じるアナ・デ・アルマスのキュートな表情や新人っぽさゆえの一生懸命さにボンドならずとも微笑んでしまうし、酒を一気に飲んでしまうのも良かったですね~
一方、戦闘となれば華麗な銃さばきとアクションで敵をなぎ倒していく姿も美しかったし、途中でボンドとドリンク休憩するのも面白かったですね。
その分、出番が短かったのが寂しかったです…。
物語としては、スペクターの集会に忍び込んだ処、何故か収監中の宿敵ブロフェルドが集会を仕切っており、ボンドを抹殺する為細菌兵器を使用した処、その計画を横取りしたサフィンに指示されたオブルチェフがスペクターを全滅させるために仕込んだことが分かってきます。
この時点でボンドはサフィンについては何も知らず、この兵器に関しても何も分からない状況で困惑するしかない状況でしたね。
ノーミを絡んでの屋内屋外を股にかけた銃撃戦は物語中盤の見せ場となっていました。
あと、前作の敵にして、007シリーズにおいても最大の宿敵と呼ばれているらしいスペクターがアッサリ全滅状態になるとは…これもまた過去の遺物がアッサリ切られていくということを示しているのかもしれませんね。
オブルチェフを引き連れ、フェリックスと合流したボンドですがフェリックスが連れていたCIAのアッシュの裏切りが判明し、フェリックスは重傷を負ってそのまま亡くなってしまいます…
水の中で死にゆくフェリックスにどこかヴェスパーも重なるような気もしました。
また、近しい人が次々と死んでいくボンドの切ない人生を改めて見せつける場面なのかもなとも思いましたね。
仲間、宿敵、愛する人との再会
真相を探るため、ボンドはMI6へと赴きます。受付に「ボンド、ジェームズ・ボンド」と名乗り、「VISITOR」としてMI6へと戻ったボンド。ノーミとのマウントの取り合いをするくだりにクスリと笑いましたね。
ノーミがマネーペニーに尋ねる「ボンドを撃ったて?」というくだりは「スカイフォール」の冒頭部分であったりと作品同士の繋がりをより感じますね。
Mにどうしてあのような兵器開発を進めたのか、スペクター全滅のいきさつ、ブロフェルドから秘密を探ろうとするボンドですが、Mは突っぱねてしまいます。
マネーペニーはボンドに声をかけ、Qの自宅へと押しかけます笑。困り果てながらも協力してくれるボンドとの関係性が微笑ましくい可笑しいですよね~
ボンドがオブルチェフから奪ったデータから今回の敵へと近づくボンド。そしてブロフェルドへと会う事へ動き出します。
ブロフェルドが唯一話をする相手としてマドレーヌとの再会を果たすボンドですが、マドレーヌの元にはサフィンが現れる…
サフィンはマドレーヌを利用して、ブロフェルドを殺そうとしており、その仕込みをマドレーヌに渡します。
今回の細菌兵器というかナノ兵器は遺伝子に関して攻撃するものになっており、オブルチェフの手により、その血縁者なども連鎖的に殺せるように凶悪化しています(Mいわくこんなことに使うはずじゃなかった。人々を守る為のモノだったらしいですが、危険にもほどがある)
この生物兵器に関与しているMもまた彼の過去から追いかけられる存在と言えるかも知れませんね。
ボンドの情報からMはボンドと協力し、ノーミはアッシュを調べ、ボンドはブロフェルドとの再会そして、マドレーヌとの再会へと向かいます。
ボクはいつだって冷静と言いつつ、マドレーヌと会った瞬間に動揺が隠せていない(というより冷静だった場面って多くなかったかもしれない)ボンド
ブロフェルドは怪し気な雰囲気を崩さず、マドレーヌとの間を引き裂いたのは自分だとボンドに語ります。
で、ボンドは激昂しブロフェルドの首に掴みかかり、その結果、サフィンの思惑通りにブロフェルドは死んでしまいます(やっぱりセキュリティ、ガバガバじゃね?)
閑話休題:セキュリティ甘すぎる問題とMが悪くね?について(笑)
敵が奪ったナノ兵器にしろ、ブロフェルドの扱いにしろセキュリティが甘すぎる問題はどの映画にも付きものですよね(笑)
まあ、ナノ兵器に関しては裏切り者の科学者がいたことや、相手の侵入経路が優れていたということにしても良いのかなと思います。
あんな高層ビルにああやって侵入するとは考えてなかったのでしょう…この辺含めてMが悪くねってなるんですよね(笑)
ただ、こういうことが起こらなければ映画が始まらないので、ここにツッコミしすぎるのも難しいかなと思います。
もしかしら、このMが生み出した罪が今後の007シリーズで軸になっていく可能性もありますし、それこそ次作でもそこがピックアップされるかもしれません。
ただ…やっぱりブロフェルドとの面会はもう少しセキュリティ強化しようよ(笑)
007 ノー・タイム・トゥ・ダイ マドレーヌを巡り最後の闘いへ
ボンドは行方をくらませたマドレーヌを探すことに。彼女が残した「家に」という言葉から、愛し合った時に聞いていたマドレーヌの家へと赴きます(MI6には勿論内緒で)
この時、家に近づくボンドの構図や家の配置、風景は完全に冒頭のサフィンがマドレーヌの家にやって来るのと対になっていましたね。
氷の世界と緑豊かな土地というのも対比になっていました。
そこでマドレーヌと話をしますが、そこにはマドレーヌの娘であるマチルドが!自分と同じ青い目を持つもボンドは動揺します(こういう男性、身近にもいそう笑)
マドレーヌへの正直な想い、マチルドを見て、一時の、いわゆる家庭の幸せを味合うボンドは新鮮ですよね。
しかし、そこにサフィンの魔の手が…。
ここでのカーチェイスもキレキレでしたし、森の中に潜んでの戦闘などボンドの優れた殺人スキルを見せてくれますね。
サフィンに連れていかれたマドレーヌを救うため、ボンドはノーミと共に”毒草島”へと向かいます。
予告編でも登場していたグライダーですが、まさか潜水艇にもなるとは!
サフィンとボンドはここで初対面となります。ボンドについて自分と鏡のような存在だと語りますが、スペクターへの復讐を果たし、その後神を名乗ると言うなど得体の知れない感じが不気味だし、ある意味掴みどころがないのが一番怖いような気がしました(結局何者だったのだろうと思った人が多くいたようです。)
ここで一番の注目ポイントは塔の上部を目指すボンドが魅せるワンカットのアクションシーンですね。
一連のアクションは見ごたえ抜群で、初見でもワンカットでビックリしましたね。
ワンカットと言えば「スペクター」のオープニング映像でも演出されていましたが、あちらは静のワンカットでこちらは動のワンカットという感じでしたね。
ノーミにもアクション的な見せ場があったり、ボンドがまさかの土下座からの反撃を見せたりなどクライマックスにふさわしく目まぐるしい展開で素直にワクワクしました。
マドレーヌとマチルドを無事に送り出し、ボンドはこの毒草島とナノ兵器を葬るためミサイルを撃ち込むようにMへ依頼し、ボンドはその為に開閉口を開けるために奔走します(ここでワンカットシークエンスが始まりましたね)
マドレーヌとマチルドを送り出した時の白い光の向こうに行く感じがもうすでに…
ボンドはサフィンに妨害され重傷を負い、さらにサフィンの持っていた切り札によってナノ兵器に侵されてしまいます…他のレビューをされている方も語っている通り、007=ジェームズ・ボンド=触れる者、関わる者を死に追いやってしまう男ということを現実として表すことになってしまうという演出だと思いました。
そして、ボンドに最後の時が…Qと交わす言葉、そして愛するマドレーヌと交わす最後の言葉…ここで冒頭にも出てきた「時間はまだたくさんある」という言葉が切ないですね…
そしてマドレーヌはマチルドがボンドの娘であることを告げます。それに対するボンドの「I know…」という言葉の切なさが…
ボンドの死、という衝撃的な結末を迎えたこの作品。そしてMI6の仲間たちはボンドに追悼の乾杯をし、マドレーヌはマチルドに父親である彼のことを語ります。「彼の名前はボンド、ジェームズ・ボンド」と…
ダニエル・クレイグ版ボンド最初の作品「カジノロワイヤル」でも最後のセリフは「ボンド、ジェームズ・ボンド」でしたので、見事なラストのセリフかなと個人的には感じました。
閑話休題:サフィンって結局なんだったの?
この作品の否の意見として「サフィンのバックグラウンドが分からなさすぎる」というモノが上げられますが、前述の通り、彼の得体の知れなさや不気味さが印象的ですし、冒頭の能面も奇妙で何を考えてるか読ませないという部分もあり、これはこれでアリだと素直に思いました。
また、Mのセリフに「昔の敵は目を見ることが出来たが、最近は見ることが出来ない」というモノがありました。
これはボンドのような諜報員が探りを入れることが古いということ、今回の兵器のようなナノ兵器=目に見えないということを表す、それと同時に得体の知れない存在が敵として立ちはだかる=サフィンの存在を示していたのかもしれません。
さらにボンドとは鏡のような存在でもあるわけですよね。前々作「スカイフォール」の敵であるシルヴァは先代M(ジュディ・デンチ)を軸に対にした存在であり、前作「スペクター」の敵ブロフェルドは義理の兄弟であり、父親を軸に対にした存在、そして今作の敵サフィンはマドレーヌを軸に対にした存在であると言えます。
マドレーヌを救った過去や組織との因縁、さらに、DNAに関する未来という部分でも対となっていましたね。
サフィンはDNAを使って破滅をもたらし、ボンドは娘という彼のDNAを受け継ぐ未来を繋ぐために命を懸けた…
そういった意味でもサフィンはラストに相応しい敵だったのかもしれませんね。
「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」 総括
ダニエル・クレイグ版007は「カジノロワイヤル」でジェームズ・ボンドが007となる始まりの物語を描き出し、さらに「スカイフォール」ではジェームズ・ボンドの生い立ちに迫り、007というスパイとしての一面よりも一人の人間であるジェームズ・ボンドというパーソナルな部分にフォーカスしていきました。
ジェームズ・ボンド=007の始まりからスタートしたこのダニエル・クレイグが務めた作品の終わりとして、ジェームズ・ボンドの終わりを描くということは必然であり、この結末に辿り着くべくして辿り着いたのだと思います。
007映画としては異例づくしのダニエル・クレイグ版最後にして、異例中の異例なエンディングを迎えたわけですが、「ジェームズ・ボンドという1人の男の始まりと終わりを描いた」ということでは素晴らしい作品たちをありがとう、ダニエル・クレイグと言いたくなりました。個人的には大好きです!
と、いうわけでひたすら 「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」 の感想を書きました!
では、この辺で!
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