映画「OLD」ネタバレあり感想:時間と家族についての物語
皆さん、こんばんは。今回このブログで取り上げるのは 映画「OLD」 です。
Table of Contents
映画「OLD」 概要
監督:M・ナイト・シャマラン
キャスト:ガエル・ガルシア・ベルナル、ヴィッキー・クリーブス、アレックス・ウルフ 他
あらすじ:リゾート地に訪れたある一家。何組かのグループと共にあるビーチへと訪れるが次第に奇妙なことが起き始める。息子がいなくなったと思ったら、急激に成長していたのだ!やがて彼らは時間が急速に流れていることに気づき、脱出しようとするが…
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映画「OLD」 見所①:極限状態での人間ドラマ
急速に時間が流れるビーチ、劇中での検証結果では30分で1年が経過してしまいます。その中で子供たちは旧成長してしまい、大人たちは徐々に老化していきます。その異常な状況の中で、冷静に対応しようとする者、困惑し落ち着きを無くしてしまう者、そして精神疾患が悪化していく者…
彼らが自体を理解しようと検証と考察をしていくので分かりやすく設定を受け入れていくことが出来ますね。
物語の中心となるのはキャパ一家。ガイとプリスカの夫妻、息子トレントと娘マドックスの四人家族。子供たちの急速な成長に困惑し、さらにプリスカの持つ病気が悪化するなど困難を乗り越えつつ、脱出を図ろうとします。
プリスカの腫瘍が悪化してしまい、ビーチでの摘出手術をするシーンはなかなか痛いシーンでもあるので注意が必要ですね。(実際、他にも痛そうなシーンが多かったりします)
一家はもう二組おり、外科医のチャールズと妻のクリスタル、娘のカーラと彼女の祖母であるアグネスの一家、看護師のジャリンとパトリシアの夫婦がいます。
実はチャールズには精神疾患という持病があり、時間が進むにつれて悪化してビーチに多くの混乱を起こしてしまいます。さらに、クリスタルも老化していく自分に混乱し精神を病んでいきます。娘のカーラは急成長してトレントとの子供を妊娠するも生まれた子供はビーチの異常さに耐え切れず…
チャールズとクリスタルに待ち受ける末路、こちらに関してはかなりエグイことになっているので、目を背けてしまいそうになりましたね。(特にクリスタル)
ジャリンとパトリシアの夫妻はかなり冷静に対処しようとしていたのですが、この異常な状況ではその頑張りも叶わず…とこのビーチに来たことにより全員の運命がとてもヒドイことになるので不快に感じる点も多いです。
また、その人間たちのヒドくなる様子に対して、ビーチの景観は美しかったりと対になっているのもニクいです。
映画「OLD」 見所②:時間と老い、家族のドラマ
急速に時間が経過するスリラーであるこの作品ですが、テーマとしては時間と老い、そして家族となっています。
家族についてはシャマラン監督が多くの作品で描いてきたテーマですね。
「サイン」や「ハプニング」などはまさに一家が巻き込まれる話ですし、「ヴィジット」なんかは姉弟の話でもあります。
そして、この作品最大のテーマが時間と老いです。
ビーチに入る前や入ってからすぐ、つまり異変に気づく前には、彼らの会話には「大人になってから~」、「後で~」、「時間が経てば~」と言ったニュアンスの表現やセリフが出てきます。それをビーチで急速に実感するとは思っていなかったでしょう…。時間の経過と老い、これは人間が生きる上で避けては通れない道です。
その限られた時間の中で、老いていく中で何を遂げて、何を残すのか、残さないのか、この時間というものの大切さ、儚さや尊さをスリラー作品の中で恐怖と共に感じることが出来ました。
映画「OLD」 見所③:さらなる狂気とコロナ禍
ここからは物語の結末に触れます!ネタバレありゾーンです!
このビーチに隠された陰謀。それは製薬会社がビーチに人々を誘い込み治験として実験を行っているということでした。
ビーチに来てしまった一家にはそれぞれ病気を抱えている人がおり、彼らにウェルカムドリンクと称して投薬、そして薬の効果を見る為にこのビーチへと導いていたことが終盤で明らかになります。
この展開に関しては、前半でも伏線が張られており(ホテルや旅行に製薬会社が絡んでいる、ウェルカムドリンク、各グループの病人、監視する影)気づいた人も多いのでは(ちなみにワタシは製薬会社が出た時点で気づいてました)
未来の為なら、人々の人生を犠牲にしてもかまわないという人間の醜い狂気と業が描かれており、このまま実験に利用されて全員死んでしまうかと思いきや…トレントとマドックスはなんとかビーチを脱出し、製薬会社の陰謀を明るみに出すのでした。
彼らが脱出する頃には50代まで加齢してしまってる上に、両親を失ってしまったわけで完全なハッピーエンドとは言えませんが、バッドエンドでなくて良かった…
で、製薬会社だの、治験だのと聞くと、正直今のコロナワクチンの話題が頭をチラついてしまいましたね…。コロナワクチンも世界では接種すべきかどうか、治験はどうだ、副作用はどうだの話題がネット上でもチラホラ…映画の企画自体はコロナ以前の企画らしいのですが…
また、他の要素もコロナ禍と重なる要素が多くあると感じました。
監督へのインタビューなどでも触れているように、外に抜け出せない家族というのはコロナ禍におけるステイホームとも重なるし、劇中でカーラが「プロムも出来ないまま大人になるの?」みたいなセリフは、修学旅行や卒業式などのイベントを奪われた子供たちの現状にも重なるような気がしました。
図らずもコロナ禍に公開する映画がこうして重なってしまうのも不思議な因果かもしれません…
だからこそ、今この映画を観て、時間というかけがえのない存在、家族という存在に改めて触れることが大切に思えるこの作品は不思議な魅力を放っているのかなと思いました。
オマケ:シャマラン監督作品のオススメと時間についての作品
映画「OLD」本編の感想はここまで!今回はオマケコーナーとして本編の関連作品的なのを紹介したいと思います。
まずはシャマラン監督の作品でオススメ作品は「アンブレイカブル」「スプリット」「ミスターガラス」のシャマラン三部作です。
見ていただきたいので、あまり多くは語りませんが、「アンブレイカブル」というヒーロー映画という要素を巧みに使った作品が、17年後「スプリット」という多重人格者の誘拐劇に繋がり、「ミスターガラス」と三部作として繋がるというのがお見事だったし、シャマラン監督流の皮肉や社会風刺なども織り込まれており、一つひとつの作品もなかなかの満足度で個人的にはこの三部作が好きなので今回オススメさせていただきました。
また、時間の大切さを知る作品としてオススメしたいのが「もしも昨日が選べたら」というコメディ作品です。
こちらの作品は「OLD」とは違いポップなコメディ作品で、家族の中で上手くいっていない男が時間を操作するリモコンを手に入れたことで人生が好転しはじめるが…というお話です。
昔見たときに、時間を大切にしたいな~と素直にメッセージを受け取ることが出来た作品ですし、コメディということでとても見易いのでオススメです!
他にも「アバウト・タイム 愛おしい時間について」などもオススメです!
いかがでしたか?今回は映画「OLD」について書いてみました!時間を大切に、またブログの日々を続けていけたら幸いです!
では、この辺で!
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