”ゴジラ”の中身-シンと-1.0(スマホ向け改訂版)

2024年8月13日

はじめに

アカデミー賞視覚効果賞受賞でふたたび話題となった「ゴジラ-1.0」

せっかくなので、これを機にシリーズ全作品を見てみようと思って、そして全部見終わったので最後に「-1.0」を見る事にしました。

ネタバレは少しあります。

こういう機会でもないと、古い映画ってなかなか優先して見ようと思えないですからね。これまたせっかくなので、シリーズを通して見て感じたものを残しておくことにしました。参考文献等はまだ読んでいない、日記です。感想です。

ゴジラシリーズはDVD・Blu-rayの購入やレンタルの他、サブスクではHuluやU-NEXTで視聴できます。

が、「シン・ゴジラ」はサブスクではAmazonプライムで見る事が出来ます。

「ゴジラ-1.0」は2024年7月20日現在、ディスクの購入かAmazonプライムへの加入でのみ見る事が出来ます。他のサブスクでは未配信で、配信レンタルを含めレンタルサービスもまだ行われてはいません。

それ以外の複数作品を鑑賞するのであれば、いつでもどこでも、繰り返し見られるHuluをオススメします。

古い映画に馴染みが無い方は、なるべく画質が良い方がとっつきやすくなると思うのでBlu-rayもいいかもしれません。私はHuluで見ていますが、画質に問題も違和感もなく鑑賞できました。

▽昭和シリーズについてはコチラ

▽平成シリーズについてはコチラ

▽ミレニアムシリーズについてはコチラ

ゴジラシリーズの流れ

シリーズは全部で30作あります。

1作目から15作目までの、昭和期に作られたいわゆる”昭和シリーズ”。リブートされ主に平成に作られた”平成シリーズ(VSシリーズ)”。主に2000年代に製作された”ミレニアムシリーズ”。そして2010年以降の近年の作品が2作。一般的にはこの四つの時代に区分されています。

酷い表ですみません、、、取り急ぎ、ハンドメイド感溢れるエクセル画像ですが、シリーズ一覧です。

この他にもアメリカ製のゴジラが二種類。

一つは98年のトライスター・ピクチャーズ配給によるジュラシック・パークこと「GODZILLA」

もう一つはワーナー・ブラザース配給で、「キングコング:髑髏島の巨神」と世界観を共有する”モンスター・バース”シリーズ。こちらは最近の作品で、本国だけでなく日本でも人気のシリーズになりましたね。

あとは長編やショートなどいくつかのアニメ版もあります。


「-1.0」の予習なので、この記事では主に日本の実写シリーズに関して書いておきます。

ゴジラシリーズにあったもの

「シン・ゴジラ」「ゴジラ-1.0」を見て気づいたこと①

「シン・ゴジラ」と「ゴジラ -1.0」については、比較的最近の作品ですし、何よりヒットした人気作品なので、説明せずとも大体の人が知っていると思います。なので「どんな作品だったか」は、ここで紹介することはあまり無いです。

それでも過去シリーズについて書いてきたのだから、せっかくなので日記として書いておこうと思います。感想を。

2016年、29作目。

それでまず、昭和・平成・ミレニアムと見てきて「シン」も見たあとに、ようやく「-1.0」を鑑賞したんですよ。そこで見ていて気づいたんですが、”これは特撮映画ではなくドラマを見せる映画なんだ”ということを、やっと認識したんです。いやそんなのわかっていたよ!という方が殆どかもしれないし、何より自分で「~FINAL WARS」の紹介文に『特撮映画としては未だにこれが最後』と書いているんですけどね(笑)

ただ日本製の”ゴジラ”であり、1作目から通して見てきたせいで、同じ”特撮”というジャンルで括って見てしまっていたんです。

2023年、30作目。

この”ドラマである”事に上映時間30分位のタイミングで気づいて、一気に冷めてしまいました。冷めたというよりフラットになった。そこまで期待はしていませんでしたが、全作予習していた事もあってそれなりに気分は上がっていた訳で、内容というか見ること自体にテンションが上がっていた、そんな感覚です。姿勢の問題であって作品の評価を下げるポイントではないし、勝手に冷めたとか言われて映画も可哀そうですよね(?)。ちゃんと楽しみましたし。

そもそも大体の映画は20分経った頃に、事前のあらすじ以上の出来事が起こりますが、今作は30分経った頃と少し遅めのタイミングで話が進んだので、その遅さにちょっと驚いたのもあって、フラットに見れました。

そういった構成を感じ取り、これは特撮ではない、ドラマなんだという思考に至るのですが、それならこれからはただの”邦画”を見るのだな、という感覚にもなったんです。

ですので「-1.0」、そして「シン」についても、特撮映画ではなく人間ドラマを描いた作品として評価するべきと思うようになりました。ただ”ゴジラ”作品であるのは確かなので、それも考慮しつつ、過去作とは違う視座を持って見ていきたいと思います。

「シン・ゴジラ」「ゴジラ-1.0」を見て気づいたこと②

まず「シン」ですが、あれは庵野秀明や樋口真嗣らのおかげである種の見応えがありました。”ある種”というのは具体的に表現できないんですが、役職とか自衛隊まわりの名称とか、そういう細かい描写がオタクっぽくて、そのビッシリと詰めた演出が見応えあると感じたのかもしれません。流石、オタク心をわかっている。

見たこと無いものを見た時、見る人の感覚を刺激する素敵な要素、そういう、いわゆるワンダーが詰まった作品だと感じました。

「ゴジラ マイナスワン」の制作過程を解説した記録集。その本の表紙。
制作過程を解説した記録集。

「-1.0」にはそのワンダーが少ないと感じました。放射熱線を吐く時の、背びれが盛り上がっていく様子はそういう視覚的な面白さがありますが、それと海上で戦うというシチュエーションの、その二つぐらいしか無かったです。それ程、人間側のドラマに重きを置いているということなのかもしれません。

あとゴジラの正体があやふや過ぎるのも”ゴジラ”として乗れなかった理由かも。1作目よりも前の時代、敗戦直後の日本という余裕の無い時代設定ゆえに、劇中では科学的な理屈が解明されないのかもしれない。そう思って鑑賞していましたが、やっぱり物足りなさを感じます。

昭和や平成等シリーズの途中ではなく、独立した仕切り直しの作品でもあるし、「今回はこういう設定ですよ」的な描写や理屈はもうちょっと欲しいと思いました。