映画「クレイジー・リッチ」 感想!どこで見られる?視聴方法も! 『イン・ザ・ハイツ』への予習 part.2(ミドリユカリ)
「プラダを着た悪魔」好きにもオススメ! 映画「クレイジー・リッチ」 感想
ブログ記事を書く練習も兼ねて今月から始めるシリーズ。
毎月1つの課題作品を決め、関連作の感想も踏まえて課題作品を読み解いていくシリーズ記事。
監督の過去作、同ジャンルの作品等を予習として2~3作鑑賞し、最後に課題作品を鑑賞する事でなるべく多くの視点から1つの映画を”観る”練習をする企画。(企画?)
今月の課題はブロードウェイミュージカルの映画化である『イン・ザ・ハイツ』。
予習第二弾は、
ジョン・M・チュウ監督の過去作品である「クレイジー・リッチ」を鑑賞。
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Table of Contents
映画「クレイジー・リッチ」について
監督:ジョン・M・チュウ
脚本:ピーター・チアレッリ、アデル・リム
製作:ニーナ・ジェイコブソン、ブラッド・シンプソン、ジョン・ペノッティ、ジョン・M・チュウ
原作:ケヴィン・クワン『クレイジー・リッチ・アジアンズ』
音楽:ブライアン・タイラー
配給:ワーナーブラザース映画
ジャンル:ロマンティック・コメディ
公開時期:2018年8月(米)、同9月(日)
上映時間:120分
映画「クレイジー・リッチ」 視聴方法
Amazon プライムビデオ | 〇(字幕・吹替) |
Hulu | × |
Netflix | × |
U-NEXT | 〇(字幕・吹替) |
TSUTAYA TV | 〇(字幕・吹替) |
(上記ストリーミングサービスの状況は2021年8月のものになります)
映画「クレイジー・リッチ」 登場人物
レイチェル・チュウ:コンスタンス・ウー(中原麻衣)
ニック・ヤン:ヘンリー・ゴールディング(小松史法)
エレノア:ミシェル・ヨー(塩田朋子)
ぺク・リン:オークワフィナ(國立幸)
アストリッド・レオン=テオ:ジェンマ・チャン(山賀晴代)
オリヴァー:ニコ・サントス
シャン・スー・イー:リサ・ルー
ケリー・チュウ:タン・ケン・フア(渡辺菜生子)
映画「クレイジー・リッチ」 あらすじ
ニューヨーク大学で経済学の教授を務めるレイチェル・チュウ。恋人であるニック・ヤンが親友の結婚式へ出席するため、彼の故郷であるシンガポールへ同行することになるレイチェル。観光も兼ねた旅行と思って胸躍らせる彼女だったが、その道中、ニックがとんでもない超が付く程の金持ち一家の息子である事を知り驚愕する。ニックの婚約者候補としてもてはやされ、嫉妬され、彼の母親であるエレノアから”中国系アメリカ人”として認められず、自らのアイデンティティすら揺さぶられる状況に苦悩する。恋人と将来を共にするのか、選んだ先には何を犠牲にしなければならないのか、そしてアイデンティティの向こうに自分を見出す事が出来るのか。リッチを超える”クレイジー・リッチ”なロマンティック・コメディ。
感想
玉の輿とかシンデレラストーリーと言えそうな話ではありますが、実際には恋人やその家族とのいざこざを通して、自分とは何者かを確立するまでの”自己肯定感爆アゲ”映画でもある本作。
自身の出自を知り、それを踏まえて今の立場を捉え直していくレイチェル。自己肯定だけではなく、それらを行った上で大切な人達とも分かち合い関係を前進させるという、恋愛映画としての機能も損なっていない、最高のエンターテイメント作品です。
この映画はエンタメとしての面白さだけでなく、人種差別や移民についての偏見も深く秀逸に描かれた描写がたくさんありました。アジア系が主演だとヒットしないと敬遠されがちだったのに、主演だけでなく他のキャストもほぼアジア人というキャストで大ヒット、更に評価も軒並み好評でこれまでの固定観念を打ち破ったブレイクスルーをした作品です。
登場人物の衣装や豪華な邸宅、それぞれに際立つメイクや美術が素晴らしい、まさに豪華絢爛。
レイチェルは旅に出る前、母親のケリーから「顔や見た目は中国人。だけど頭と心は向こうの人とは違う、中身は”アメリカ人”」と冒頭からシリアスなセリフが出てきます。デリケートなところをさらっと突くあたりが上手いですね。
ニックが故郷に女性を連れて帰るという、噂話がSNSを通じてすぐに広まる描写や、シンガポールの観光地としての景色など、冒頭から景気の良さが伝わります。(最初のパーティの、ドラにまつわるシーンとかシンプルで良い!)これはビール飲みながら見たいぐらいの景気の良さです。
結婚式入場前、ニックの従兄弟で金にがめついエディが家族全員で写真を撮られるシーン。3人の息子たちに「いい写りの角度で」とポーズを指示し、家族全員がキメ顔するシーンは映画史に残る爆笑シーンで必見です。
「オーシャンズ8」や「シャン・チー テン・リングスの伝説」などヒット作に多数出演しているオークワフィナ。アジア人としてハリウッドをけん引する彼女が演じるペク・リン。破天荒すぎて批判も受けそうな勢いのあるキャラクターですが、むしろそのコミカルさやそれを演じられるオークワフィナの力量に感服する、とても素晴らしい演技だったと思います。ただ「淫乱エボラウイルス」ってネーミングセンスはヤバ過ぎ(笑)
ここからネタバレ有り
経済学を教えるレイチェルが、合理性を問われる麻雀を通してエレノアに心情を伝えるクライマックスは、ロマコメ映画では斬新な決着の付け方でした。
彼女にとって理想的とはいえない選択でも、持てる全てのスキルを活用したベストなけじめのつけ方。麻雀としては合理的じゃない一手を指した彼女ですが、コミュニケーションにおいては合理的だし心理的にも勝利を掴む一手で、まさに試合に負けて勝負に勝ったシーンでした。
ここで終わってもある意味良い着地が出来たと思いますが、そこは流石のロマコメ。ジャンルの定番である、離陸直前の機内で巻き起こるプロポーズ劇。「これは流石にやり過ぎだけど、ロマコメだしね~」とか余裕ぶっこいてましたが結婚指輪のあの演出で泣いちゃった。。。
ロマコメ・ラブコメに良く見られる都合の良い落ちなので、結局は将来が不安になるのは変わらないのもちょっと面白かったです。
メイキングからも興味深い話を聞けました。
製作のジョン・ペノッティが「人物から美術やらが全て緻密」と話していたり、オークワフィナの「90年代以降もっとも影響を及ばした作品かもしれない」など、相槌を打ちたくなる言葉が沢山ありました。
監督がメイキングで最後に話していたこと。
情報化により世界は狭くなった
世界中の人が協調するために必要なのは、類似点を見出すこと
この作品はすべての人間への賛歌なんだ
文化や背景は違っても共通点は見つかる
ジョン・M・チュウ
これが全てを表してると思います。
凄く明るいのに色々な意味で偏見やらが混ざってて、とても歪。でも、だからこそ映画的に面白いし、詳しくなくても楽しめるストレートさもあって凄い!
やっぱ「プラダを着た悪魔」好きにも響くはずなので、オススメです!!
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