映画「殺人鬼から逃げる夜」 ネタバレあり感想:スリリングな一夜の攻防
皆さん、こんにちは。今回このブログで取り上げるのは 映画「殺人鬼から逃げる夜」 です。
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映画「殺人鬼から逃げる夜」 概要
監督:クォン・オスン
キャスト:チン・ギジュ、ウィ・ハジュン、パク・フン 他
あらすじ:帰宅途中に血を流している女性を発見したギョンミ(チン・ギジュ)彼女は近くで見ていた犯人であり殺人鬼のドシクに狙われてしまう。しかし、ギョンミは聴覚が不自由なギョンミはドシクの足音も聞こえない、そして助けを呼ぶ声も届かず…
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映画「殺人鬼から逃げる夜」 感想①:シンプルでスリリングな鬼ごっこ
こちらの作品、 ハンディキャップのある女性が殺人鬼から逃げるということで思い出されるのは韓国映画の「ブラインド」、もしくはそのリメイクである邦画「見えない目撃者」だと思います。
しかし、それらの作品ではその殺人鬼に遭遇してから徐々に迫っていくのに対し、この作品では殺人鬼に目を付けられて逃げ続けるという、いわば死の鬼ごっこを続ける映画となっています。
また、聴覚が不自由ということもあり、相手の足音や物音は勿論、自分がどのような音を立てているのかも分からないという状況で逃げ続けなければなりません。また、喋ることも難しく手話も一般の人には伝わらないので助けを呼ぶこともままならないという状況で、どうサバイブするのかがスリリングな作品となっています。
この作品はそのシンプルさ、この一点突破がスリラーとして最高の緊張感を高めて提供してくれます。
また、音が聞こえないゆえに彼女をサポートする音を視覚化するアイテムやライトなどそういったモノやふとした瞬間に劇中の音楽が消えて、ギョンミが置かれた状況を観客に味合わせるという演出も、よりサスペンスフルに映画を盛り上げてくれました。
このシンプルさにタイトな上映時間、息をつく暇もないほどの危機感がこの映画を最大限にスリリングに盛り上げ、終始拳を握りしめながらギョンミの行方を見守る映画となっていました。
映画「殺人鬼から逃げる夜」 感想②:周囲の無関心さと冷遇
この映画では、殺人鬼から逃げる女性ギョンミがいかに殺人鬼から逃げ、この状況を打開するのかにハラハラドキドキするし、彼女を応援したくなるような映画でもあります。
そして、その彼女の周りの状況にヤキモキする映画にもなっています。
ちなみにここからネタバレ本格的になりますのでご注意ください。
勿論、殺人鬼のふてぶてしさ、人前では真面目そうな会社員を演じ、言葉巧みに人の印象や心理を操作する様はムカつかせて来るのですが、それ以上に役に立たない警察の面々にまずヤキモキしましたね。
手話が分からないとは言え、筆談などでじっくり話を聞けばもっと何とかなった場面がいかようにもありましたし(ギョンミが動揺していたとは言え)そもそもギョンミのような聴覚障がい者を少しないがしろにしているのかもな?という風に見られました。
さらに、殺人鬼の被害者である妹を探す兄ジョンタクも…元海兵隊の警備員で妹が命より大事みたい男で頼りになる存在だと思ったら…いや、確かに彼がいたおかげで助かった場面は多いです。戦闘出来る彼がいるおかげで映画としてもアクションが派手になったし、戦力的にも頼もしい場面が多いのですが、それを裏切るような展開が…(映画としては面白いですけどね)
結論はね、最終的にね、ギョンミも妹も助かるんですよ。でもその前に一度コイツはギョンミを見捨ててるんですよ。確かに殺人鬼ドシクは言葉巧みにジョンタクを惑わすし、妹が大事な気持ちは分かります。しかし、ドシクの信用のならなさは分かっているはずなのに騙され、ギョンミを見捨てておきながら、助かったギョンミと母親の元によく顔出せたな…って正直思いました。
ドシクをぶちのめして、妹の居場所を吐かせればよかったのでは?ボコボコにして拘束して正しい場所吐かせるまで拷問して…で良いはずなのに目の前で殺されそうな女の子を見捨てるクソっぷりに少しイラっとしました。
終盤、街中に飛び出しギョンミは必死に助けを求めるのですが、誰も取り合ってくれず、ドシクの言葉を信用して彼の味方をしてしまう周囲の人々…確かに自分がその立場になった時、ちゃんと判断できるか難しい場面ということでしたが、見ている最中はもどかしかったです。
勿論、映画的に盛り上げる演出なのは分かりますが、このようにハンディキャップのある人に対する冷遇や理解の無さ、各々の身勝手さは見ている我々にもあるのではないだろうか。そんな時、自分たちは正しい判断が出来るのだろうか、もしかしてあの時遭ったあの人は実は助けを求めていなかっただろうか…そんなことを考えさせる一面もあると感じました。
要するにそれくらいギョンミの置かれた状況に見入ってしまったというのが、この映画が魅力的である証ですよね!
いかがでしょうか?短い時間に凝縮されたスリリングなサバイバル劇をぜひ劇場で味わってほしいです!
では今回はこのへんで
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