「ザ・フラッシュ」ネタバレあり感想:サプライズと笑いと不満も少々
皆さん、こんにちは。アヤノテツヒロです。今回このブログで書いていく作品は 「ザ・フラッシュ」 です。
Table of Contents
「ザ・フラッシュ」 概要
監督:アンディ・ムスキエティ
キャスト:エズラ・ミラー、マイケル・キートン 他
あらすじ:ジャスティスリーグの一人、フラッシュことバリー・アレンは超高速で移動する能力の持ち主。その力で過去にタイムスリップ出来ることが分かり、母親を救うためにタイムスリップするが…
公式サイトはこちら
「ザ・フラッシュ」 見所①:超高速移動を使ったアクションとコメディ
オープニング。アルフレッドの指示で事故現場に向かうバリーことフラッシュ。急いで飯にありつきたいのに、店員さんがダラダラ話していたり、アルフレッドに急かされて急いでユニフォームを着て向かおうとすると話しかけられて行けないなどコメディなキャラクターであることが伝わる。(タイトルの出し方もネタにしてあるあたりがさすが)
病院に着くと倒壊する建物から、赤ちゃん達が落ちてくる中での救出劇。周りがスローの中で食料を補給したり、電子レンジや色んなもので赤ちゃん達を守りつつ、救出していく様はヒーロー映画らしい人助けとコメディなテンションを両立していて面白い。
ただ、少しだけ絵の作りが最初だけ随分安っぽく見えたのは気のせい?(ちなみに物語が進むと気にならなくなった)CGへの不満点を挙げる意見も多いそうだが、この記事によればそういったCGは意図的とのこと。個人的には観ていくと慣れてきたのでそこに関しては何とも言えない。また、こういった高速移動のヒーローで同じようなキャラクターに「X-MEN フューチャー&パスト」などのクイックシルバーのシークエンスがあるが、個人的にはあっちの方が見ていてワクワクしたような…(まあ、比較するもんでもないのだが)
これに関しては(後に判明するのだが)フラッシュの高速移動中に他の人に触った場合、その速さに耐え切れず吐いてしまうので人に触れないという特性ゆえに人を助けるのにも気を遣うという設定ゆえ制限があったように見えたのが一因かもしれない。これに関しては個人の好みによるものだろう。
「ザ・フラッシュ」 見所②:ヒーロー誕生を描かず、オリジンを描く。
フラッシュ/バリーに関しては、ジャスティスリーグが初登場であり、父親が母親を殺したという疑惑で逮捕されていることもある程度は描かれているが、改めてここで彼の過去を描いており、初めて見る人にも彼の抱える深い問題が見て取れる。そして、この問題が彼をタイムスリップへと導いていく。
ここでバリーの父親の無実を証明するための監視カメラ映像が出てくるのだが、証拠としては弱いものだった。これはラストに生きてくる。これをブルース・ウェインが調べてくれるあたり、ブルースの優しさが垣間見れる。タイムスリップが出来る相談をしたのもブルースだし、ジャスティスリーグ以降の二人の関係性が見れるのが嬉しい(それゆえにもっとDCEUを続けて欲しかったという気持ちも…)
母親が殺され、父親が疑われる原因となった買い忘れたトマト缶という些細なきっかけを修正し、母親が生きている世界を見ながら戻るバリー。しかし、謎の存在の妨害により、彼は元の時代より前の時代に来てしまう。そこにいたのは幸せそうな両親と別人の自分。自分とは違うチャラすぎるバリーとのやり取りはコントのようだし、同じ人間なのに兄弟のようで面白い。
彼に能力を持たせないと自分の能力が消えるのかもという話から能力獲得の経緯を説明し、さらに能力が移ってしまうことから能力の説明、さらにデメリット(高速移動のせいで摩擦で服が燃える、壁のすり抜けは難しい)などを笑いを交えながら理解していくのが良い。裸になってしまうことや、能力を失ったのに走るバリーには素直に笑ってしまった(笑)
バリーの過去や能力の説明を足早に見せる、能力の説明をチャラい別の自分に教えることで視聴者に能力を分かりやすく見せるのと同時に能力を得て、調子に乗ってしまうバリーをコメディとして見せてくれる。
暗い過去を抱えて、真面目に生きるバリーとチャラくて変な友達が多い明るいバリーの二役を演じるエズラ・ミラーの演技力も堪能できる。
ここまではあまりにも緩いというか、緊張感が無いのでもうそろそろ…という処で物語が動くのが良い。
「ザ・フラッシュ」 見所③:バットマンがカッコいい!!(その分…)
今回の「ザ・フラッシュ」。2人のフラッシュの活躍も素晴らしいのだが、2人のバットマンの活躍もまた素晴らしい!
タイムスリップ前のオープニングではベン・アフレックが演じるバットマンが登場!敵を追うためにギミック満載のバットサイクルでのカーチェイスや翼を広げて滑空、グラップリングガンを使ってのハイウエイでのチェイスまでカッコいいことこの上ない!!さらにワンダーウーマン登場のサプライズまであるとは…
DCEU版ジャスティスリーグの面々が揃うのはこれが最後になるかもということで(ベン・アフレックのバットマンはアクアマン2への出演の可能性はあるが、ワンダーウーマンは先行き不透明)嬉しいサプライズだった(ヘンリー・カヴィルのスーパーマンももう一度見たかった…。もちろんサイボーグも)
さらに、タイムスリップした先にいたのはマイケル・キートンのバットマン!まさかのゾット将軍の登場(あの場に実はバリーがいたのも驚きだった)にジャスティスリーグを集めようとするが、まさかの誰もいないし、変な検索結果しか引っ掛からないのも笑えた(笑)
ウェイン家に行くも、そこでようやくブルース登場。最初は隠居しただらしない格好をしているが、スーツを身に纏ってからのアクションシーンの数々はクール!!マルチバースへの理解が早すぎたり、協力するのにも早い気がするがその辺は置いておこう。バットウィングやグラップリングガン、翼で降り立ち敵を倒していくお姿、マジでクールでした。ベテランとして2人のバリーを引っ張っていく姿が素晴らしかった。
…バットモービルも走って欲しかったよ…。
このマイケル・キートン版のバットマンはかつて「バットマン」(1989)で彼自身が演じたバットマンと同一人物なのかは正確には不明である。ただ、ジョーカーの笑い袋など印象的なものがあるのでほぼ同一人物かかなり近い歩みを送ってきた人物であることが分かる。
バットマンの助けを得て、ロシアに囚われているスーパーガールを助け、脱出した直後にピンチ→スーパーガール復活の流れもお見事でめちゃくちゃ強いのが良かった。
ちなみに原作アメコミには「スーパーマンがロシアに墜落して育った結果、共産主義になったら…」という「スーパーマン:レッドサン」という原作があり、ロシア設定はここからだったのかもしれない。
そこから、フラッシュの能力を復活させて(自分から雷に打たれなければならないというかなり痛いものだが)2人のフラッシュ、バットマン、スーパーガールの4人でゾットに立ち向かっていくのだが、チャラいフラッシュが戦いに怯みつつも真面目なフラッシュが鼓舞することで戦っていく場面も良かったし、スーパーガールの活躍も(わずかながら)見れて良かったとは思う。
…のだが、スーパーガールの活躍は少し控えめだったか。予告編でのインパクトを超えるような活躍が少なく、ゾットとの絡みもイマイチかなと。…まあ、そもそもフラッシュの映画ではあるので、スーパーガールやゾットを掘り下げることでもないのかも知れないが。
正直、スーパーガールのこれまでのイメージを覆すようなスーパーガール像を体現したサッシャ・カジェの存在感は素晴らしいのだが、相手が相手だったのと登場が遅いため活躍の場面があまりにも少なすぎた…
「ザ・フラッシュ」 見所④:過去に向かっていたバリーが見たもの
ゾット一味に劣勢を強いられ、スーパーガールやバットマンが命を落とす展開にまた過去へと戻るフラッシュだったが、何度やってもその過去を覆すことが出来ない。バリーはこの展開=ヒーローが勝てない状況は変えることの出来ない運命なのだと気付くが、過去のバリーはその現実を受け入れられず何度も過去へと戻ろうとする。
そして、何度も時を戻すうちに他のユニバースの崩壊を招きかねない展開へと繋がっていく…
ここで彼らが目撃する様々なユニバース。その全てを分かるわけではないがいくつかは(そこまで詳しくないワタシでも)気づいた。
1人はクリストファー・リーヴのスーパーマンだった。彼は1978年の「スーパーマン」でタイトルロールを演じたレジェンドの一人であったし、まさかのニコラス・ケイジの登場にも驚いた。ニコラス・ケイジはかつてスーパーマンを演じる映画を制作しようとしていたのだが、紆余曲折あり頓挫。その長年の夢が叶った形である。(ちなみにニコラス・ケイジは自身の息子にスーパーマンの地球上での名前であるカル=エルをつけるほどのスーパーマン好きである)
ここで世界崩壊を招きそうになる2人のフラッシュの前にもう一人のダークフラッシュが現れる。その正体は何千・何万回ものタイムスリップを繰り返した過去のバリーの行き着いてしまった姿だった。全てを悟った未来のバリーは過去を変えることは出来ない・不可能なのだと悟るがダークフラッシュは諦めきれない。そこで未来のバリーを殺そうとするが、それを過去のバリーが庇う。そしてダークフラッシュも消滅する…。
最終的には何度過去を変えようと、この敗北の流れを変えることは出来ないという帰結、諦めることも必要という展開になっていくのは驚いた。
ただ、過去を変えてしまう(母親を死なせない)=バリーがフラッシュにならないというタイムパラドックスが生じるわけなのでそもそもこのタイムスリップは無理があったのだと思われる。
そして、タイムスリップを諦めることになるまでバリーの話にフォーカスを当てる分、スーパーガールやゾットの扱いがかなりうやむやというか雑に終わってしまった感が否めないのが少し引っ掛かる部分であろう。
ヒーロー達が負ける運命ということもさることながら、活躍も大してないままに退場したスーパーガールやゾット…。この記事によるとゾット役のマイケル・シャノンがマルチバース映画、今回の再演に対し少し語っている。そんなに突っ込んだ言い方もしていないのだが、色々言いたくなる気持ちも分かる。
先ほど書いた様々なマルチバースに関してもあくまでもカメオ的な役割であり、サプライズ的な登場は嬉しいのだが、マイケル・キートン登場のインパクトは越えられないし、どうなのか…。
個人的にはクリスチャン・ベールのバットマンやドラマ版「フラッシュ」の世界も垣間見えて欲しかったが…
バリーが母の死を避けることを止める場面。母とのやり取りには素直に感動したし、母親が何かを察してハグするのは号泣案件と言えるだろう。
バリーの物語として見れば、過去に走り出してしまった彼が自らの過ちや歩むべき道を悟り、未来へと一歩歩みだす物語だったとは言える。
現代に戻ってからは走っていないのもそれを示唆しているのかもしれない。しかし、バリーは懲りずに、というかちょっとだけ、過去を改変した。それは父親の無実の証拠となるカメラ映像にしっかり映るように細工をしたのだ。この結果、バリーの父親は無実となるが、裁判所を出て会ったブルースはまたもや知らない人物に!ベン・アフレック版ブルースではなくジョージ・クルーニー版ブルースへと変わっていた!!
ジョージ・クルーニーは「バットマン&ロビン:Mr.フリーズの逆襲」でバットマンを演じていたが、この映画が大コケしてしまい黒歴史にも同然だったのでサプライズ登場となった。
とりあえずトマト缶どんだけ影響でかいねんと言いたい(笑)
本編に沿いながらダラダラと書いてきたが、多少不満が無いわけでは無いが、全体的にコメディ要素やバリーという魅力的なキャラを様々な方向で描きつつ、キートンバットマンやスーパーガール、マルチバースなカメオ出演で彩りながら、バリーの選択、過去へ走ってしまった彼がまた悲しみを乗り越えて未来へと歩みを始める姿を感動的に描いており、かなりの傑作だとは思う。
しかし、評判、興行収入共にあまり上手くいっていないようだ…これに関しては様々な記事があるのでそれを参考に今度まとめたい。
では、今回はこの辺で!!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません