「THE BATMAN」 ネタバレあり感想:若きブルースとリドラーの関係

2022年3月22日

こんにちは、アヤノテツヒロです。今回取り上げるのはDC映画最新作「THE BATMAN」です。

「THE BATMAN」 概要

監督:マット·リーヴス

キャスト:ロバート·パティンソン、ゾーイ·クラヴィッツ、アンディ·サーキス、ポール·ダノ 他

あらすじ:ブルース·ウェインがバットマンとして活動し初めて2年、ある日起こったのは現場に謎解きが残された凶行。協力者である刑事のゴードンと共に事件に向き合うブルースだったが…

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「THE BATMAN」 感想①:若く脆く危ういブルース

今回の映画で登場するブルースはバットマンとして活動するのが2年目、つまりまだ若いということになる。

その為か、弱く脆い今にも崩れ落ちてしまいそうな危うさが随所に見受けられ、自分で自分を壊してしまいそうなブルースが描かれる。普段はほぼ表舞台に姿を現さないというのもあまり見たことはないかもしれない。

自らを復讐と名乗り、バットマンという使命に己を焼き尽くそうとしているような危険な状態、それゆえになのか、悪党たちを倒すときのアクション一つ一つが暴力性に満ち溢れ、一撃が重たく映る。

両親が殺されて…のくだりは言及はされるが、映像としては描写されない。これは何度も描かれてきたことであり、敢えて省略されているのであろう(ホムカミと一緒)

または最初の被害者である市長の息子を重ねることで描写していると言えるかもしれない。

また、今回ブルースが合いまみえる、ファルコーニもしくはマローニが犯行に関わっていそうという曖昧さがブルースとアルフレッドにしこりを残すのでその辺も含めてのことだろうか

この作品でのバットマンは"探偵"という要素を強めたので、一つ一つの事件をわずかな手がかりから探っていくのも新鮮だし、ゴードンとのコンビ場面も多く、ヒーロー映画という感じからはかなり離れた作りとも言える。

そして捜査の過程で、キャットウーマン=セリーナと出会い、ゴッサム社会の闇をより深く知っていくことになる。そこでマフィアたち、権力者たちの繋がり、そこに隠された数多くの嘘と真実がブルースの前に立ち塞がり、さらには自らもターゲットとなり、自身の父親の過去も彼を容赦なく傷つけていく…

その過程で彼がこの物語を通して、ブルースが自身を巡る過去や復讐という負の面と向き合うことで、ヒーローとしての成長物語でもあるという展開まで見せてくれたのがまた素晴らしい。

ラスト、地上に降り立ち、火を灯し人々を導く姿、人々に手をさしのべ一人一人を救うバットマンの姿はまさしくヒーローであり、復讐者からヒーローへの一歩を踏み出したブルースを見たような気がした。

「THE BATMAN」 感想②:リドラーとの鏡のような関係性

今回の映画のヴィランとして大きくフォーカスさらるのがリドラーという存在。これもまた異質な存在で、権力者の悪事を暴き出すというのは(殺人を犯しているとはいえ)見る人によってはヒーローとも言える。事実、ブルースが訪れた市長の葬儀ではそういったデモが行われており、ブルースがそれを見ている場面もあった。

リドラーが語るブルースと孤児同士という共通点、違うのは貧富の差でありブルースと鏡のような関係、ifの世界でのブルースとなっていたかもしれない存在というのも「ダークナイト」におけるジョーカーとはまた別のアプローチ、しかもブルース個人という要素でも見せてくれたとも言えます。

また、バットマンという恐怖と暴力で街に君臨する存在がいたからこそ、リドラーは謎解きという形で暴かせることによって権力者たちに裁きをくだすに至ったということはつまり、バットマンが居たからこそリドラーという存在が表に出てきたとも言えますね。

犯罪者を裁こうとしているのも別アプローチでのバットマンであり、そこでも鏡のような関係と言えます。

主犯エドワードが逮捕されたあと、SNSを通して彼に共感した人々が新たなリドラーとしてテロ行為に加担していく、"リドラー"という特定の人々にとってはカリスマと呼べる概念·存在が起こした影響も決してフィクションとは言えないと思わせるほどの存在感を放っていましたね。


今回は映画 「THE BATMAN」 について書いてみました。

正直書きたいことを書いただけなので、良いブログになったかは分かりませんが、読んで共感していただけたりしたら幸いです

では、またいずれ