「ザ・スイッチ」 ネタバレあり感想:コメディとホラーの絶妙な緩急にハマる
皆さん、こんにちは。アヤノテツヒロと申します。今回このブログで取り上げる作品は 「ザ・スイッチ」 です。
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「ザ・スイッチ」 概要
監督:クリストファー・ランドン
キャスト:ヴィンス・ヴォーン、キャスリン・ニュートン 他
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あらすじ
女子高生のミリーは家庭でも、学校でも憂鬱な日を過ごしていた。そんな彼女が住む町に殺人鬼が現れたらしい。ミリーは運悪く殺人鬼と遭遇するものの、何とか一命を取り留める。しかし、その翌日目を覚ますと殺人鬼と身体が入れ替わっており…
「ザ・スイッチ」 見所①:主演二人が見せるそれぞれの顔と演技
この手の映画、所謂”入れ替わりもの”映画の醍醐味として、まずは入れ替わった者同士のギャップを視覚的に楽しむという部分があります。
男性の中身が女性になったり、女性の中身が男性になったり、大人の中身が子供になったり…と入れ替わったことで起こる元々の立場では見せることの無い表情や動きが入れ替わりものの見所ですよね。
今作は女子高生と殺人鬼というありえない悪夢の入れ替わりということで、それぞれが見せる表情もかなり違います。
まずは女子高生のミリー。父を失った悲しみが癒えず酒に溺れることもある母親と警察官の姉の間で取り繕う毎日、学校ではめんどくさい女子にイジラれる日々、大事な親友の二人と過ごす時間だけが幸せというちょっと暗めな女の子の表情と、中身が殺人鬼となって、髪の毛も上げたギラギラとした目つきとミステリアスな態度を見せる姿はまるで別人の様!
彼女を演じるのはキャスリン・ニュートン。彼女の名を知らない人も多いと思いますが、今後注目の若手俳優の一人です。知名度を高くした作品で言えば「名探偵ピカチュウ」のヒロインの子と言えば思い出す方もいるのでは?また、彼女はこのブログではお馴染みのMCU作品「アントマン3」で主人公アントマン/スコット・ラングの娘キャシーを演じることが発表されており、彼女の知名度はさらに上がるかも?
対する殺人鬼ブッチャー。オープニングでの景気が良すぎるほどの殺人シーンの迫力、大きい身体に何を考えているのか分からない無機質な表情など殺人鬼らしい怖いイメージ。そこから一転、ミリーが入ったブッチャーはその大きい身体で乙女全開(笑)ガタイの良いおじさんだけど、中身は女子高生。そんな姿だけでなんだか笑えてしまいますよね(笑)
ブッチャーを演じるのはヴィンス・ヴォーン。コメディ作品からシリアスな作品まで様々な役柄を演じる個性派俳優さんです。ワタシ個人としてはコメディの印象が残ってる方ですね。「ドッジボール」に出てたかな?他にもコメディ映画で見たことある!みたいな方で、今回の作品にはピッタリハマる方だなと思いました!
そして、監督はホラーとコメディを融合させた見事な名作!「ハッピー・デス・デイ」「ハッピー・デス・デイ 2U」を手掛けたクリストファー・ランドン!こちらの作品もかなり面白いのでオススメです!!!(いつか記事を書くかもしれません)
「ザ・スイッチ」 見所②:入れ替わりコメディ要素満載!!
入れ替わりものはこれまでにも様々な作品が作られています。古くは「転校生」から近年一番有名なのは「君の名は。」ですかね。洋画だと「フォーチュンクッキー」、ちょっと種類は違いますが「フェイス/オフ」なんかもそうなるようです。
日本ではドラマとしては「パパと娘の7日間」「民王」などもありますし、最近も「天国と地獄~サイコな二人~」も入れ替わりものですね。
日本では多くの入れ替わりコメディ作品があり、馴染み深いジャンルとも言えますね。
そんな入れ替わりコメディとして面白い、お馴染みの要素(あくまでもワタシ個人調べ笑)が多く散りばめられています。
・見た目おじさん、中身女子高生のナヨナヨした姿が笑える
・暗めで目立たない女子高生だったのに、男の人が中身になるとそのワイルドな感じでモテ始める
・入れ替わって他人の立場から親の想いを知ることになる
・入れ替わってもお互いが分かることを通して、友情は変わらず協力者になる
・入れ替わったのがきっかけで好きな異性と親しくなる
など、「君の名は。」で見たような、なんとなく入れ替わり系の作品で見たような気がするような(笑)要素が満載で、ホラー映画というよりもコメディ作品としても十分に楽しませてくれます。
中でもやはり、面白いのはブッチャーの身体に入ったミリーのビジュアル(笑)。前述の通り、大柄のおじさんが女子を全開に出している姿は思わず笑ってしまいます(笑)
「ザ・スイッチ」 見所③:スラッシャー映画のハラハラ+入れ替わりリミットのハラハラ
もちろんホラー映画、今回で言うと所謂スラッシャー映画の要素もタップリ盛り込まれています。
R15指定らしく冒頭から景気の良い(笑)殺人シーンから始まります。瓶をぶち込んだり、テニスラケット真っ二つで挟み込むなんて豪快すぎる~(笑)リア充っぽいカップルが襲われるというのもそれっぽいですよね。学校の行事が絡んできたり、ブッチャーもマスクを被って犯行に及ぶなど、13日の金曜日オマージュが随所に盛り込まれており、スラッシャー映画としても充分に面白いと思いました。
他にもカギ爪で殺人を行ったり(エルム街の悪夢?)的な演出や殺人シーンでのチェーンソーの使用(テキサス・チェーンソー)、学生たちが巻き込まれるというのもスクリームっぽさもあったりしますね。犠牲者たちが凍らされて死んだり、木工室の電動ノコギリで殺したりとギミック的な死にざまはファイナル・ディスティネーションやSAWっぽい感じもあるかなと思いました。
犠牲者が多数出るとは言え、フラグ立てまくりの上に主人公を見下していたりする人たちなので、若干スッキリしちゃう(笑)あたりも親切設計かもしれませんね?
そんな殺人鬼が犯す殺人事件というハラハラはもちろん、他にも今作にはハラハラ要素が盛りだくさんとなっています。
・入れ替わりのタイムリミット:24時間過ぎると一生このまま入れ替わった状態になるというリミットのハラハラ
・ブッチャーの顔はミリーによって警察に知られている:逮捕されれば元に戻れない上に死刑、もしくは終身刑、または射殺されるかもしれないハラハラ
・ミリーの姿で犯した殺人:元の身体に戻ってもそれを見られていればミリーの犯行になるかもしれないハラハラ
など、殺人以外にも様々な危機的要素が物語の緊張感を押し上げてくれます。
そこに前述②のコメディ要素も合わさり、緊張感の緩急が非常に面白い作品となっています!
「ザ・スイッチ」 見所④:ミリーの成長ドラマと”自分らしさ”
前述しましたが、殺される被害者たちは冒頭の若者たちを除くと、ミリーに対してヒドい扱いをしていた者たちが多いんです。
これは偶然でしょうか?いや、これはきっと意図的でしょうね。
ミリーはブッチャーの身体に入ったことで自分自身に少しずつ自身を持っていきます。ブッチャーのフィジカルの高さは次第に彼女に自身を沸かせますが、それは彼女の心理的な部分にも影響していきます。
変わらぬ友達との絆、想っていた男子との交流を経て、彼女は自分自身に自信を持ち、ありのままを受け入れられるようになります。
そんな自分自身のありのままを否定する様な人々が殺害されていく…これもまた自分自身を受け入れ、自身を持って歩む人が強いのだと伝える映画としてのメッセージのようにも感じました。
ミリーの友達黒人やゲイであることも少なからず要素として入れているのかもしれません(歴史の多くで残念ながら迫害の対象となっている)
ミリーをバカにするような女子学生や良くない態度を取る教師、またゲイの友達:ジョシュに絡んできた男子(ゲイ?)が「他の奴に秘密にしろよ」的な発言をした直後に殺されるのもまさしくであり、自分自身を生きることの大切さをミリーの生き方、ブッチャーが上げる血祭りという二重の形で見せている、そんなことを思いました。
ラスト、自分の生きてきた人生を否定する様なブッチャーをミリーと家族は撃退します。これもまたそういうことなのでは?
上手く文章にするのが難しかったのですが、とにかくスラッシャー映画として、コメディ映画としての絶妙なバランスと緩急で存分に楽しめた作品!!そう思いました!
では、また
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