「ズーム 見えない参加者」:レビュー

2024年3月17日

皆さん、こんにちは。アヤノテツヒロです。

今回レビューを書くのは「ズーム 見えない参加者」です

「ズーム 見えない参加者」公式ビジュアル(引用元:公式サイト

作品情報

日本公開:2021年1月14日 イギリス映画

監督:ロブ・サヴェッジ

出演:ヘイリー・ビショップ、ジェマ・ムーア、キャロライン・ウォード他

全編ZOOM画面、つまりPC画面上で物語が展開されます。

全編PC画面で物語が進む映画としては有名なのは「Search」が挙げられますね。

本編が非常に短く(68分くらい)内容としても皆さん、オチ分かりますよね?(笑)という展開なのでネタバレ込みでお話していきましょう!

同じような映画で「アンフレンデッド」という作品もあるのでそちらも取り上げながらお話していきます。

ホラー映画としてのコンセプト

コロナ禍でロックダウン中のイギリス。仲良しグループでオンラインでの降霊術を行うことになったヘンリーら5人の女性たち。初めは割とふざけていたが、次第に不穏な影が襲い掛かる…

ちなみに登場人物と役者さんの名前は一緒になってたりします。

因果応報でとんでもないことになっちゃった!!というホラー系のあるあるを今回はズームでやったというお話です。(例:行っちゃダメな処に行く、解いちゃダメな封印を解いちゃうなど)

で、今回は降霊術中にふぜけたら、とんでもない悪霊がやって来たということで…恐怖が襲い掛かります(なんで危険だとか説明しなかったのとか、そもそも何故に降霊術とかいうツッコミはなしで

なので、オチは大体分かる通り悲惨な状態になるわけで、そこまでをどう盛り上げていくのかが注目ポイントになるわけです。

ろうそくの火が揺らぎ、グラスが割れ、イスが引っ張られる…ちょっとずつ怖さのレベルを上げていくんですが、なんだか知らないけど一度スイッチが入ると容赦なく襲いかかって来ます!

一人また一人とズームの参加者(その家にいた人も巻き添え)は死んでいきます。

イタズラからの死亡までの容赦がないです(笑)

というより、来ちゃった悪霊さん、殺る気が満々すぎるんですよ(笑)

恨みとか妬みがあるわけではないのにもかかわらず、もう殺しまくりで…

まぁ、とんでもない悪霊さんを呼んだのでしょう(笑)

PC画面ならではの演出

ワタシはZOOMを使ったことがあまり無いのですが接続が悪いかも?という展開やとか顔にかけるフィルタが何故か誰も居ないはずの空中に…などZOOMならではのネタを活かした仕掛けなども面白いと思いました。

背景に自分の録画した映像を使うというのも面白かったのですが、ギミックとしてはもっと面白くできたかなと。その画面に映った過去の映像の彼女が振り向くとかそういう風に使っても良かったのになぁと思ったり…

時代的にコロナやロックダウンといった現代ならではの要素を納めた内容ともなっているのは悪くなかったですね。

ただね、ちょっと気になった処を挙げると、この手の映画(いわゆるファウンド・フッテージ系)では毎度のことなんですが、

その状況でカメラ上手く回しすぎ問題

そこは気になりました。

ズームゆえに、「インカメラ?外のカメラ?てか、パソコンなの?スマホなの?」という疑問な場面もありましたね。

その辺からはクライマックスでバッタバタと死んでいくので見てる最中はそれなりに気にせずに済みますが、どうしても気になりました。

暗いので画面で照らしてるシチュエーションもあったと思いますが、でもそれだと…?という展開もあったのでその辺のツメは甘いかなぁ~

あと、画面上で皆が映ってる場面と一人をフォーカスする場面が入り乱れていたので、その辺もマイナスかなと。都合よくそのホラー描写を見せるために場面が切り替わっているような、その作為性?みたいなのが気になってしまったんですよ。気にならない映画もあるのですが、残念ながらこの映画を観ているときにボクは気になってしまいました。

いっそのこと、一人のPC画面に統一するとかの方が…

あと、最後ね…ツッコミ処まみれなんですよ。椅子ごと引っ張られ、画面上から消えたヘンリーを助けに来るという展開自体は良いのですが、なんで無事なの?から始まりですよ、もう走って逃げればいいのにポラロイドカメラでフラッシュをたくという、悪霊さんへの煽り(笑)これに関しては照明代わりなんでしょうけど、電気点けようともしないのはなぜ?慎重になるのも分かるけど、早くその場離れれば?と思っちゃいました。

ホラー映画ではよく登場人物の行動が謎に映ることがあるのですが、今回はそこが気になる場面が多かったように感じました。

で、急に化け物出てきちゃうのは無いかなぁ…

パソコンの画面を操作する悪霊?な最後も要らないかな…

個人的にはアンフレンデッドの方が(初めて見たPC画面ホラー映画と言う意義も含めて)好きだったかなと。

手軽に見れる短さ、コロナ禍という状況を活かした制作スタイル、なんだかんだでビクッとさせるホラー演出等、良い部分もあるのでご興味のある方はチェックしてみてはいかがでしょうか?

で、ここからは「アンフレンデッド」についても触れておこうかなと思います。

こちらもオススメ「アンフレンデッド」

日本公開:2016年7月30日

監督:レヴァン・ガブリアゼ

キャスト:シェリー・ヘニッセ、ヘザー・ソッサマン、モーゼス・ストーム他

全編PC画面上で繰り広げられるホラー映画となります。

ネットいじめを受け、自殺した女子高生ローラ。その1年後同級生たちがスカイプで話しているとローラのアカウントが参加してくる…

この映画では、ブレアという女子学生のPCを視点に描かれており、彼女がスカイプ中に他のサイト(Facebookや検索結果)を見ていたり、メッセージを送っている様も含めて映します。視点が固定されている分、前述の”画面の作為的な切り替え”はあまり感じずに見ることが出来ました(他の画面を見ているとき、会話の音声が聞こえない、話が進んでいないという箇所はありましたが…)

参加してる同級生たちに対する物理的嫌がらせも、あくまでも「全てこちらの手の上なのよ」を見せる感じで良かったです。過度にビックリさせる為というより、恨みを晴らすために仕掛けている感じがあるのが良いですよね。

一応、メンバーが映ってる画面が大きくなったり、小さくなったりもあるのですが呪いの報復が本格化する前から切り替えがちょくちょくあるのも分かっているので違和感なしです。

あと、恨みを晴らしにきた同級生の怨念なので、殺意満々で良いなと(笑)PC切ったら即殺すと逃げ場を無くすのも良い。彼らの隠している一面の写真をアップしたり、嫌がらせのようにブレアたちの仲を散々険悪にしてからの、プリントアウトした紙の内容とかもう最高でしたね!(←性格悪いのバレる笑)

オチはまぁ似た感じなのですが、変な怪物的なモノが見えなかったのも、個人的には高評価です(笑)

ぜひ、こちらの作品もご覧ください!

今回は以上になります。

全編PC画面ホラー映画の2作品を取り上げてみました!

「ズーム 見えない参加者」は劇場にて公開中!

「アンフレンデッド」はU-NEXT,dTVなどで配信中です!

では、また次回!